業界初、全製品のカーボンフットプリントを公表 CO2排出量の足跡がわかるちふれの化粧品
これらの商品のカーボンフットプリントはサイトで公開されている
<商品が廃棄・リサイクルに至るまでのCO2排出量を示すカーボンフットプリントは、消費者が環境問題を知るきっかけになる>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
老舗化粧品メーカーのちふれホールディングス株式会社は、同業他社に先駆けて、2022年にカーボンフットプリントの自主算定と公表を行った。算定値を自社内のカーボンニュートラル実現に活かすだけでなく、算定値の公表を足がかりに、消費者にも持続可能な社会を意識づける取り組みを展開している。
全製品のカーボンフットプリントを公表、CO2排出量削減の気運醸成へ
カーボンフットプリントとは、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルの中で排出される、温室効果ガスをCO2に換算して表示する仕組みのことだ。CO2排出量を「見える化」することで、温室効果ガス削減に活用することができるため、昨今、カーボンニュートラルの実現に向けた重要な取り組みとして、世界中で注目を集めている。
ちふれホールディングス株式会社は、国内の化粧品業界では、いち早くカーボンフットプリントの把握に取り組んでいる。展開する5つの化粧品ブランド全製品について、2021年度分のカーボンフットプリントを自主算定し、2022年11月に数値を公表した。全製品の算定と全製品の数値の公表は、先駆けた試みだ。
同社は事業活動における2030年までのカーボンニュートラル実現を目標としており、カーボンフットプリントの算定値は、将来のCO2排出量を減らすための指標として役立てている。
ちふれが率先して取り組むことで、自社だけでなく、社会全体が「CO2排出量削減に向けて、全員が取り組まなければならない」という気運の醸成に繋げることも狙いの一つだ。