1つ買えば途上国・被災地に同じ数のランタンが届く ランドポート社が展開する消費者が「実感」できる社会貢献活動
タイの難民学校の子供たちにCTSを渡す代表・傳馬氏
<一つ売れるたびに灯りの無い世界にランタンが届くことで、消費者に効果を実感してもらう>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
ソーラー充電式ランタン「CARRY THE SUN(以下、CTS)」を製造・販売しているランドポート株式会社は、消費者が購入した数と同じだけ、途上国や被災地などの灯りが必要な地域にランタンを寄付する取り組み「BUY ONE GIVE ONE」を行っている。
CTSを1つ購入すると、同じものが1つ、世界の灯りが必要な人に届けられる
日本に住む私たちは当たり前のように電気を使っているが、世界にはアフリカやアジアを中心に、今も約7億5200万人が電気のない生活を送っている。こうした電気のない世界では夜の灯りがないため、勉強や家事などの時間が制限される等、人々の生活や社会の発展の大きな障害となっている。
ランドポート株式会社は、こうした地域に灯りを届けるべく、「BUY ONE GIVE ONE(以下B1G1)」と題した取り組みを行っている。
B1G1は、同社が開発したソーラー充電式ランタン「CARRY THE SUN(以下、CTS)」を、顧客が購入すると、同じものを購入した数だけ、灯りが必要な途上国や被災地に届けるという取り組みだ。
実際に、同社のスタッフが自社ECサイトやイベントなどでの売上数と同じ個数のCTSを持って現地を訪問し、自らの手で届けている。2023年までに、ネパールやウクライナ、熊本など、国内外の貧困地域や被災地、僻地の医療現場に、累計17,000個以上のCTSを寄付してきた。
「CTSの寄贈数は年々増加しており、2016年は100個でしたが、2023年は13,000個以上を世界各国へ届けることができています。特に、2月に大地震で被災したトルコに対しては、NPO団体や岡山県総社市役所、トルコ大使館、国際移住機関(IOM)などの組織と連携することで、1万を超えるCTSの寄贈に至りました」と、ランドポートの川添氏は話す。