「兵庫テロワール旅」を通じて、サステイナブルツーリズムの実現を目指す
関西では最も大きな面積を持つ兵庫県において、次世代の交通サービスとして注目されているのがMaaS(マース)である。MaaSとはMobility as a Serviceの略語で、鉄道やバス、レンタカーといったさまざまな移動手段を組み合わせて、より便利な移動を実現する仕組みを指す。
兵庫県は観光MaaSアプリのWESTERを開発したJR西日本と協働。最適な移動ルートを提案するだけでなく、観光バスや路線バス、観光タクシーなどとの提携によって、二次交通の不便さやアクセス手段不足といった移動手段の課題を解消する。観光MaaSを導入することで、さまざまな地域の魅力にストレスなく触れてもらうのが狙いだ。
最後の「サービス・管理」でこだわったのは、地域住民や県内事業者に持続可能なメリットをもたらす地域内経済循環の構築である。最も大きな可能性があるのは、人口150万超の神戸市を擁し、大阪市や京都市とも近い地の利をいかしたワーケーションの推進。
テレワークをはじめとした働き方の多様化を踏まえ、仕事と休暇を組み合わせた滞在型観光を促進するため、ワーケーション設備を備える宿泊施設の情報をウェブサイトで発信。働き方改革に取り組む団体と協働して啓発活動を行うなどして、長期的な旅行者の定着によって地域に利益を循環させ、経済の活性化を図っていく。
もちろん、ウィズ・コロナ期において、安心かつ安全な旅行を楽しんでもらうためには、旅行関連事業者との連携が必須になる。兵庫県では、旅行業における新型コロナウイルス対応ガイドラインの内容を踏まえた感染リスク軽減対策を実施。各業界団体と共に、旅行者に対して内容を見える化し、「ひょうご安心旅」として発信していく。
これまでに挙げた取り組みを継続的に実施し、適切にマネジメントしていくことが「兵庫テロワール旅」が掲げる目標への近道になる。そして、必然的に地域課題に向き合うことになり、一つひとつを地道に解決することが、真のサステイナブルツーリズムを実現することに繋がるのだろう。
●兵庫テロワール旅
https://www.hyogo-tourism.jp/terroir/