最新記事
トラベル

「兵庫テロワール旅」を通じて、サステイナブルツーリズムの実現を目指す

2023年6月26日(月)16時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

また、コラボレーション事業を通じて地域事業者の参画を促し、新たな商品やサービスの創出にも力を入れる。例えば商品では、「兵庫テロワール旅」とJR西日本(西日本旅客鉄道)、神戸に本社を構えるアシックスのファッションブランド、オニツカタイガーがコラボレート。同ブランドを代表するスニーカーのメキシコ66をベースに、新幹線の車両デザインから着想したカラーリングを施した3つのタイプを発売する。

見どころは、古くから皮革産業が盛んな播磨・姫路の職人がなめしたレザーが使用されていること。さらに北播磨地域で生産されている播州織の布帛を使ったトートバッグが、付属品としてシューズボックスに収められる。地場産業のサステイナビリティを追求した特別なコレクションに仕上がっている。

次の「販売・プロモーション」では、地域産品を推奨するにあたり、その地域で味わう食材や施設を紹介。例えば、但馬牧場公園(新温泉町)では、和牛のルーツといわれる但馬牛を放牧しているところを見学できるなど、動物や自然との触れ合いを通じて歴史や文化を学べる。

さらに、地元では香住ガニと呼ばれるベニズワイガニが水揚げされる香住港(香美町)では、香住ガニの料理を楽しめるだけでなく、水揚げやセリの様子を見学できる。さらに、貴重な資源を守るための漁港の取り組みを知ることで、その大切さを理解することができ、こうした内容を訴求していく。

障がい者や高齢者をはじめ、誰もが旅行を楽しむことができるユニバーサルツーリズムの考えに沿った施策にも力を入れる。NPO法人や県内事業者と共に、さまざまな啓発活動や旅行商品の開発などに取り組み、新たに立ち上げる専用のウェブサイトでは車イスでのアクセス方法を盛り込むなど、ユニバーサルツーリズム視点のコンテンツを発信していく予定だという。

観光MaaSの導入やワーケーションの推進で地域を活性化

旅行の要となる「移動・運搬」では、環境への影響が少ない交通手段を利用するエコモビリティライフを推進。代表的なのがハイキングやサイクリングで、E-bike(電動自転車)などのレンタサイクルで手軽に地域を巡ることができるツーリズムを提案する。

例えば、日本一の里山と称される黒川地域(川西市)では、地元の道を熟知したサイクリングチームの案内によるサイクリングを実施。地元のヒノキを使った箸づくり体験や、茶道の湯沸かしに使われる菊炭づくりの見学が取り入れられるなど、地域の特色を訴求できるコプランにまとめられている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中