体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」とは?...「1日3回の食事などありえない」
初心者の場合は、脂肪燃焼への切り替えに2〜4日かかり、そのあいだ気分はよくない。『シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング』はそんな苦痛を味わわなくてすむために、知っておくべきことを盛り込んでいる。僕らのように食べるものを変えるという選択肢のなかった、洞窟に住む祖先たちにはできなかったことだ。
ファスティングはあなたの中に眠っている進化の力を解き放つ。ケトン体はグルコースより1g当たりの電子の量が多い、つまりエネルギーの原材料となる分子の密度が高い。
ケトン体を細胞にどんどん摂り込むのは、ガソリンスタンドでレース用のハイオク・ガソリンを入れるようなもの。というのも、脂肪は糖より1g当たりのカロリーが多いため、ケトン体を代謝して得られる1g当たりのエネルギー産生量はグルコースよりも多いのだ。
ケガをしたときに動物が食べなくなるのには理由がある。気づいているかどうかわからないが、人間もそうだ。この前本当に具合が悪かったとき、食欲はあったろうか?
病気になると僕たちの体は自然と食べ物を必要としなくなり、消化より修復にエネルギーを注いで、有毒物質を体に入れないようにしてみずからを治癒する。
次の食事まで長時間あけるときも、同じことが起こる。ファスティングは、本来体に備わっている、状況に応じた治癒のプロセスを目覚めさせるのだ。今度ランチを抜いたら死ぬんじゃないかと思ったら、そのことを考えよう。
【参考文献】
(*1)Kathleen Holder, "Moroccan Fossils Show Human Ancestors' Diet of Game," UC Davis, June 7, 2017.
(*2)Alexandra Rosati, "Food for Thought: Was Cooking a Pivotal Step in Human Evolution?," Scientific American, February 26, 2018.
デイヴ・アスプリー(Dave Asprey)
起業家、投資家、シリコンバレー保健研究所会長。「ブレットプルーフ」創設者。カリフォルニア大学サンタバーバラ校卒業。ウォートン・スクールでMBAを取得。シリコンバレーのIT業界で成功するも肥満と体調不良に。その体験から医学、生化学、栄養学の専門家と連携して膨大な数の研究を統合し、100万ドルを投じて心身の能力を向上させる方法を研究。バターコーヒー(ブレットプルーフ・コーヒー)を考案し、ダイエットに成功した体験を『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(ダイヤモンド社)にまとめ、世界的ベストセラーとなる。ニューヨーク・タイムズ、フォーブス、CNNなど数多くのメディアで活躍中。著書に『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』『シリコンバレー式超ライフハック』(ともにダイヤモンド社)など多数。
『シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング』
デイヴ・アスプリー[著]/安藤 貴子[訳)]
CEメディアハウス[刊]
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

アマゾンに飛びます
2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら