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過剰な内臓脂肪は「脳の老化」まで引き起こす...でっぷり太ったおなかと認知機能の深い関係

The Brain-Belly Connection

2025年4月1日(火)11時18分
ルーシー・ノタラントニーオ(ライフスタイル担当)
過剰な内臓脂肪は「脳の老化」まで引き起こす...でっぷり太ったおなかと認知機能の深い関係

肥満は脳の老化のもとだった? 9NONG/SHUTTERSTOCK

<糖尿病など肥満絡みの病気だけじゃない! 過剰な内臓脂肪を落とせば、認知機能の低下を先送りできる!? では、どうすれば内臓脂肪を減らせるのか>

おなかにぜい肉がたっぷり付いている人は、糖尿病など肥満絡みの病気になりやすいことはよく知られている。だが、マウスを使った新しい研究では、過剰な内臓脂肪が、脳の老化まで引き起こす可能性があることが示された。

東邦大学医学部の武井義則准教授が率いる研究チームは、若いマウスと高齢のマウスを使った研究により、内臓脂肪組織の老化が脳由来神経栄養因子(BDNF)の濃度を低下させて脳の老化を進めることを明らかにしたという。


内臓の脂肪組織が生成するタンパク質CX3CL1は、本来なら、神経細胞の維持を助けるBDNFの生成を促し、認知機能を改善する。ところが中年になると、脂肪組織の感受性が低下して(だから体重が落ちにくくなる)、BDNFの生成をうまく促せなくなるのだという。

BDNFは記憶力や思考力と結び付いており、その発現低下は鬱症状や認知症など多くの精神疾患と相関するだけでなく、健康な高齢者の認知機能の低下ももたらす恐れがある。逆に、BDNF濃度が高い高齢者は、脳の老化のペースが遅いことが示されているという。

簡単に言うと、40〜60歳で体重を減らすのに苦労している人は、内臓脂肪のタンパク質CX3CL1と、脳のBDNFのレベルが低い可能性があり、それが認知機能の低下につながる恐れがある。

だが、逆の見方をすれば、現在の技術ではまだ、脳機能の低下を直接治療するのは難しいが、内臓脂肪を落とすのは比較的簡単であり、それによって脳の老化のスピードを落とせる可能性がある。

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