最新記事
健康

コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイジャーの「長寿体質の秘密」とは?

2025年3月21日(金)08時50分
ニール・バルジライ (アルバート・アインシュタイン医科大学教授)
運動する高齢者

wavebreakmedia-shutterstock

<コレステロールは「悪者」ではなかった...。長寿遺伝子発見者による、アンチエイジングの最前線から>

長寿遺伝子発見者による、最新研究と衝撃の提言書SuperAgers スーパーエイジャー 老化は治療できる(CCCメディアハウス)の第3章「コレステロール──多いほうがいい?」より一部編集・抜粋。

重要なのは寿命(ライフスパン)ではなく、健康寿命(ヘルススパン)...。


 
◇ ◇ ◇

数十年間センテナリアン(100歳以上の長寿者)の血漿のコレステロール値を研究しながら、わたしは動物の老化についても研究してきた。

動物は人々とはかかる病気が違うが、老い方はそっくりだ。あらゆる動物は同じように老化する。皮膚、髪、骨、筋肉のすべての形と機能が変化し、病気にかかりやすくなる。

多種多様な生物にとって基本的な老化とそうでないものを見つけることが、ヒトの長寿という暗号を解くのに欠かせない。ヒトにはどんな老化が必然で、どの要素が不必要で避けられるのか、その実態を知るのに、さまざまな生物研究が役立っている。

たとえば、『老化はなぜ起こるか──コウモリは老化が遅く、クジラはガンになりにくい』(草思社)の著者で友人のスティーヴン・N・オースタッドは、500歳の二枚貝や、まったく年を取りそうにない「ヒドラ」という小さな無脊椎動物を研究した。また、ヴェラ・ゴルブノヴァと夫のアンドレイ・セルアノフは、ハダカデバネズミが他のげっ歯類よりも20倍も長生きする理由を調べている。

動物研究の結果とセンテナリアンから集めた情報を比べることで、すべての人の老化を遅らせる方法がしだいにわかりつつある。

ただしヒトは特殊であり、コレステロールの代謝も多くの動物、とくにげっ歯類とはかなり違う。そのため、コレステロールと長寿に関係があるというヒントは、最初はセンテナリアンから得られた。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 10
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中