老化は生まれる前から始まっていた...「スーパーエイジャー」の3つの「長寿の秘密」とは?
長寿遺伝子プロジェクトで多くのことを学び、重要な観察結果とつながりを見出したものの、一定の年齢の人たちの研究では、その人の生涯を追跡して得られる情報のひとかけらしかわからない。
そこで、「ロンジェニティー(長寿と遺伝子を組み合わせた造語)」という名の新しい研究を始めることにした。
その研究では、アシュケナージ系ユダヤ人で95歳以上生きた親を持ち、長寿遺伝子プロジェクトに参加していない人を採用した。このグループをOPEL(並はずれた長寿の親を持つ子)と呼び、対照群はOPUS(普通の寿命の親を持つ子)と呼ぶ。
被験者は1400人近くで、毎年、さまざまな認知機能検査、脳のMRI、冠動脈のCTスキャンなど、多くの検査を行っている。
加齢に伴って健康状態がどうなるか詳しい情報を得るため、そしてもちろん、健康と長寿遺伝子の関係を見つけるためでもある。長期的な目標は、ヒトに並はずれた長寿をもたらす遺伝子を特定し、その遺伝子と加齢性疾患や長寿との関連性を評価することだ。
これまでのところ、わたしたちの研究結果は勇気づけられるようなもので、医学研究界からもたいへん歓迎されている。研究結果でわかったことをまとめると、長寿は、
■世代から世代へと高確率で遺伝し、
■高いHDLコレステロール値と、低い低比重リポタンパク(LDLすなわち「悪玉」)コレステロール値との関係が大きく、
■大きなHDL分子とLDL分子を持つ人に起きやすい。分子が大きいと、心臓血管疾患、インスリン耐性、高血圧の発症率が低くなる。
ニール・バルジライ (Nir Barzilai)
1955年生まれ。アルバート・アインシュタイン医科大学教授。同大学老化研究所設立者。ポール・F・グレン老化生物学研究センター、およびアメリカ国立衛生研究所(NIH)ネイサン・ショック・センター加齢基礎生物学部門のディレクターも務めている。専門は内分泌学。100歳を超える長寿家系を調べ、ヒトの長寿遺伝子を世界で初めて発見した。長寿研究の世界的権威として、全米老年問題研究連盟(AFAR)「アーヴィング・S・ライト賞」など数々の賞を受賞している。本書が初の一般書となる。
『SuperAgers スーパーエイジャー 老化は治療できる』
ニール・バルジライ/トニ・ロビーノ[著]
牛原 眞弓[訳]
CCCメディアハウス[刊]
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