Z世代の45%は「酒を飲んだことがない」...アルコールを出さない「しらふバー」が「意外な目的」で人気に?
FIGHTING SPIRITS
増えるノンアルコールバー
ヘーゼルデン・ベティ・フォード財団のリーは、悪質なマーケティングがアルコール依存に陥りやすい人たちを食い物にしていると批判する。リーによると、デューク大学の経済学者フィリップ・クック教授は近著で、アメリカのアルコール消費の80%は飲酒可能年齢人口のわずか20%によるものだという。
「ここ10年ほど、酒類はロゼワインやクラフトビールなど、非常にクリーンなイメージで売られてきた」と、リーは指摘する。「その結果、飲酒関連のトラブルが大幅に増えた。最近ノンアルコール飲料の市場が急拡大しているのは、おそらくこうした状況に対する有機的な反応だ」
その反応の1つが、「しらふバー」の登場だろう。テキサス州オースティンで薬物依存者のカウンセリングをするクリス・マーシャルは、飲酒を伴わない社交の場がないことに気付き、17年に全米初のノンアルコールバー「サンズ・バー」を開いた。
サンズ・バーの利用者の多くは30〜40代半ばの専門職で、女性も多いという。「バーに行くのが楽しいのは、コミュニティーとつながれるからであって、酒のおかげではない」と、マーシャルは言い添えた。