最新記事
食事法

感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明らかに【最新研究】

Scientists Reveal Diet That Fights Off Life-Threatening Infections

2025年1月18日(土)09時20分
ハティ・ウィルモス
まな板と食材

Pexels-pixabay

<45カ国以上の1万2000人の便をAIを用いて分析した結果、特定の細菌を発見した>

豆類、マメ科、野菜、果物、全粒穀物、ナッツ、種子など食物繊維が豊富な食事が腸内の有用な微生物の成長を促し、人体が危険な感染症と闘うのを助ける可能性がある。

イギリスのケンブリッジ大学のチームによる最新研究によると、135種の腸内細菌が、生命を脅かす感染症を引き起こす可能性のある腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の不在と関連していることが判明した。


 

「食物繊維が腸によい影響を与えることを示す研究は数多くあります」と本誌に述べるのは、本研究の筆頭著者でケンブリッジ大学獣医学部のアレクサンドレ・アルメイダ博士だ。

「まず、腸のスムーズな動きを通して、消化を助けます。さらに特定の種類の食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなります。これらの有用な細菌は、消化や免疫機能において重要な役割を果たしています」

研究チームは、これらの細菌が腸内の有害な細菌のレベルを低下させることに関連していることを発見している。

腸内細菌科は通常、健康な腸にも少量存在している。たとえば大腸菌(Escherichia coli, E. coli)はよく知られている種類で、アメリカにおける食中毒の三大原因の1つとなっている。

腸内細菌科の菌種や菌株が過剰に増殖すると、炎症、下痢、さらには全身の重症感染症などの問題を引き起こす可能性がある。しかも、これらの菌種は抗生物質への薬剤耐性を持っていることが多いため、体内の他の部位で感染を引き起こすと治療が困難になる可能性があるとアルメイダ博士は述べる。

アルメイダ博士の研究チームは、45カ国以上の1万2000人の便をAI(人工知能)を用いて分析した結果、腸内細菌がより健康的なレベルにあることと関連している、フェーカリバクテリウム(Faecalibacterium)など特定の細菌を発見した。アルメイダ博士は次のように説明する。

自動車
DEFENDERとの旅はついに沖縄へ! 山陽・山陰、東九州の歴史文化と大自然、そして沖縄の美しい海を探訪するロングトリップ
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米経済に「スタグフレーション」リスク=セントルイス

ビジネス

金、今年10度目の最高値更新 貿易戦争への懸念で安

ビジネス

アトランタ連銀総裁、年内0.5%利下げ予想 広範な

ビジネス

トランプ関税、「コロナ禍規模の衝撃」なら物価懸念=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済…
  • 10
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中