最新記事
健康

ビタミンD、マルチビタミン、マグネシウム...サプリメント「3つの神話」の噓を暴く

The Supplement Myths

2024年10月11日(金)17時35分
パンドラ・デワン(科学担当)
栄養コンサルタント

専門家に相談しながら自分の体の状態に合わせて適切に栄養を補おう KUCHERAV/ISTOCK

<「万能な栄養補助食品」は存在しない。誤解されやすいサプリの神話を専門家が解説する>

ドラッグストアでサプリメントの売り場に立てば、誰でも頭が混乱する。米疾病対策センター(CDC)によると、アメリカの成人の半数以上が栄養補助食品を摂取しており、年間数百億ドルを費やしている。

アメリカで最も人気があるのは「万能」のイメージが強いマルチビタミンで、わずかな差でビタミンDが続く。

しかし、実際にどのサプリがどのくらい必要なのか。栄養療法士でW-ウェルネス社の栄養コンサルタントのエリン・フィリエンに、サプリにまつわる3つの「神話」の真偽を検証してもらった。


■神話① ビタミンDは多く摂取するほどいい

「ビタミンDは骨を健康に保つために必要な栄養素で、カルシウムやリンの吸収を助け、気分や免疫系など体内の機能を調整する働きもある。ただし、過剰に摂取すると体内にカルシウムが蓄積されやすい」と、フィリエンは言う。

その影響としてよく見られるのは、血液中のカルシウム濃度が高くなる高カルシウム血症で、吐き気、嘔吐、倦怠感、頻尿などを引き起こす。重篤な場合は心臓の問題や腎不全を招くと、クリーブランド・クリニックは指摘する。

成人は1日4000IU(または100マイクログラム)以下、子供は2000IU(50マイクログラム)以下の摂取が推奨されている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

イオン、米国産と国産のブレンド米を販売へ 10日ご

ワールド

中国、EU産ブランデーの反ダンピング調査を再延長

ビジネス

ウニクレディト、BPM株買い付け28日に開始 Cア

ビジネス

インド製造業PMI、3月は8カ月ぶり高水準 新規受
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中