ビタミンD、マルチビタミン、マグネシウム...サプリメント「3つの神話」の噓を暴く
The Supplement Myths
専門家に相談しながら自分の体の状態に合わせて適切に栄養を補おう KUCHERAV/ISTOCK
<「万能な栄養補助食品」は存在しない。誤解されやすいサプリの神話を専門家が解説する>
ドラッグストアでサプリメントの売り場に立てば、誰でも頭が混乱する。米疾病対策センター(CDC)によると、アメリカの成人の半数以上が栄養補助食品を摂取しており、年間数百億ドルを費やしている。
アメリカで最も人気があるのは「万能」のイメージが強いマルチビタミンで、わずかな差でビタミンDが続く。
しかし、実際にどのサプリがどのくらい必要なのか。栄養療法士でW-ウェルネス社の栄養コンサルタントのエリン・フィリエンに、サプリにまつわる3つの「神話」の真偽を検証してもらった。
■神話① ビタミンDは多く摂取するほどいい
「ビタミンDは骨を健康に保つために必要な栄養素で、カルシウムやリンの吸収を助け、気分や免疫系など体内の機能を調整する働きもある。ただし、過剰に摂取すると体内にカルシウムが蓄積されやすい」と、フィリエンは言う。
その影響としてよく見られるのは、血液中のカルシウム濃度が高くなる高カルシウム血症で、吐き気、嘔吐、倦怠感、頻尿などを引き起こす。重篤な場合は心臓の問題や腎不全を招くと、クリーブランド・クリニックは指摘する。
成人は1日4000IU(または100マイクログラム)以下、子供は2000IU(50マイクログラム)以下の摂取が推奨されている。