【文章力強化】勉強に興味がない子ほど伸びる! 作文力が格段に上がる、塾よりも確実な方法
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<韓国を代表するライティング・コーチが、難関大学に合格した息子と小学生の頃から実践していた文章力強化術は、塾通いをせず「あるもの」を毎日続けることだった>
猛暑日が続く夏休み。遠出や旅行を楽しむ人たちを尻目に、受験勉強に勤しむ子供たちも多いのではないだろうか。
そんな受験や就職を見据えた将来のための文章力UPについて、ライティング・コーチとして活躍し、ライティング指導歴20年を超えるソン・スッキ氏は、毎日「ブログ」を書くことが効果的だ、と述べている。
今回は受験大国・韓国でロングセラーとなっている『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)から、勉強嫌いな子どもでも一生ものの文章力を身につける方法を抜粋して紹介する。
※本書からの抜粋第1回:【文章力UP】「1日10分・自発的・手書き」、子どもの「論理的に書ける脳」をつくる3つのキーワード
※第2回:【読書感想文の書き方】小学生のタイパUP! 効率よく論理的に書けるハーバードで150年伝わる作文法
塾には行かなくていいから、毎日ブログを書こう!
私の息子は「孝行息子」です。中学・高校の6年間、毎日ブログに文章を書き、その文章を通して母親と対話を続けてきました。おかげで思春期の間も仲良し親子としてスムーズに過ごせました。
息子が大学4年生の時にフィンランドに交換留学へ行った際には、母親宛てにこんな得意気なメールを送ってきました。
「僕のライティング力は、ヨーロッパの学生たち相手でも怖いものなしだ。これもお母さんのおかげです」
うれしいことを言ってくれますが、何より本人の行動の結果なのです。それを母親のおかげなどと言ってくれるので、私も思わず胸が熱くなりました。
息子が成人して久しいので、我が家では受験の話が縁遠くなりましたが、それでもたびたび更新される大学入試制度のニュースを見るにつけ、受験生の母親だった時代の焦燥感がよみがえり、今、受験生を持つお母さんたちの心情に共感するばかりです。
息子は90年代生まれで、当時は国内でのさまざまな格差が話題に上り始めた頃でした。格差を埋めるためにも息子をよい大学に送らなければ。息子が中学校進学を控えた当時、私たちはソウルから半日近くもかかる全羅南道(チョルラナムド)の片田舎に暮らしていました。
学習塾もないひどく辺鄙(へんぴ)なところでしたし、いえ、たとえ塾があったとしても我が家の経済事情では学習塾代にも頭を抱えるだけ。もとより、息子自身に学習意欲がありませんでした。
彼が幸せになるためには一体どうしたらいいのだろう? 不安な中、私は情報収集を始めました。名門大学に入れば幸せになれるのかと卒業生たちの話を探ると、彼らは海外の名門大学に入れなかったことを悔いていました。
なんということでしょう。「ならば世界でも名門と名高いハーバード大学はどうなのだろう? 彼らはどんな勉強をしているのだろう」と思って探ってみました。そこで発見したのです。ハーバード大学では学生を社会のリーダーとして育成するべく、ロジカルな思考力を磨くことを重視していることを。そしてそのために、ライティングに注力していることも。
「ふ~ん、そうなのね。ならばうちの子にも読書と作文をやらせればいいんだわ!」
短絡的ですが、読書や作文なら、田舎町に住んでいても、お金がなくても、自宅でできると思ったのです。そして勉強に興味のない息子と取引しました。
「塾には行かなくていいから、代わりに毎日ブログを書こう!」
文章を書く仕事を長年続けてきた私は、文章力が身を立てる一助となることを身をもって知っていました。それだけにハーバード大学の教育方針に感銘を受けました。文章を書くことだけでも、子どもの思考力や読解力が向上するのは間違いありません。おまけに、毎日書かせるだけでハーバード大学が目指すリーダーシップまで身につけられるなら儲けものです。
アメリカの子どもたちが思考力開発の目的で毎日15分間、ライティングの時間を設けているということを知ったのは、それからずっと後のことです。
とにかく、取引した日から、息子は毎日文章を書きました。毎日ブログさえ書けば塾には行かなくていい。書き終えたらゲームで遊んでもいい。きっと息子は、そんな単純な考えからブログを毎日書いたのだと思います。私はというと、そんな息子が書いた文章にコメントをつけることがすっかり楽しくなり、夜中に更新されるブログが読みたくて早起きする習慣がつくというおまけまで得ました。
とにかく、息子が毎日書いてくれるだけで十分だったのです。ほかのことに目くじらを立てることもありませんでした(と記憶しています......)。そして彼は、大学入学試験の前日までブログを更新し続けました。息子自身、毎日書いてきたことで自分の思考力や文章力の向上に手応えを感じ、何より書く楽しみを見出したようでした。そして彼はソウルの難関大学に現役で合格したのです。