最新記事

メンタルヘルス

うつ病とは「心のバッテリー」が上がること...「考えすぎ」がうつ病に変わるメカニズムは?

2022年11月25日(金)17時36分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


「歯周病」で検索。どうしよう! 1億300万件もヒット! 多すぎます! もっと対象を絞り込みましょう。

「歯肉がん」と入力。375万件がヒット。少しだけ調べやすくなりました。では、スクロールして兆候や症状を見てみましょう。

「口腔がんの兆候と症状。嚙むことや飲み込むことが困難になる。口の中や喉、唇にしこりが出来たり、痛くなったりする。白色や赤色の斑点が口の中に見られる。舌やあごを動かすのが難しくなる」

単純明快な、最悪の結果です! この30分ほどそうしていたように、もう一度口の中をチェックします。舌で歯茎の表面を刺激していましたが、そこがたしかに痛みます。この気持ちの悪い不安の正体を突き止めるべく、病院に行くべきときが来ました。

人は不安を感じると、その不安を解消し、気持ちを楽にするのが一番の目的になります。たしかに、歯茎にしこり(あるいは、しこりと思われるもの)があるのは問題ですが、人が何より求めているのは不安の解消です。健康不安のある人は、多くのお金を使って健康診断やさまざまな検査を受け、安心感を得ようとします。

医師が診察し、「何も異常なし」と伝えます。注意深く探っていた舌が歯茎を刺激していただけで、ジェル状の痛み止めを少し塗れば治るようです。

ふう、やれやれ! 不安は消えました。ただし、それもほんの少しの間だけで、心配性の人は同じことを繰り返します。心配してはまた不安になるのです。

「考えすぎ」に関する学術的な情報は、あまり重要ではありません。あなたの今の考え方を、もっと有益で、事実に基づいたものに変えていくことが大事なのです。そうすれば、ありのままの自分でいても平気になります。

「やっかいな考えすぎ」からうつ病へ

最後にもうひとつ、研究で明らかになっている事実に触れておきます。「やっかいな考えすぎ」が感情に長期的な影響をもたらすのは明白であり、またそれはうつ病にも深く関わっているという側面です。

うつ病、不安、そして過度の心配は密接に関係しています。この現象を説明するとき、私はよく車のバッテリーを例に出します。

大きな災難(家族の突然死、大量虐殺、自然災害による家の破壊など)に遭ったとき、あなたの身体は車のヘッドライトをつけっぱなしにしている状態と同じです。エネルギーを大量に消耗し続けてしまいます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中