うつ病とは「心のバッテリー」が上がること...「考えすぎ」がうつ病に変わるメカニズムは?
このときの反応は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状と同等だと判断されます。車だったら1時間以内にバッテリーは上がってしまうでしょう。
しかし、もしつけっぱなしにしていたのが、駐車灯や室内灯だったとしたらどうでしょう。もっともっと時間はかかりますが、それでも最終的にはバッテリーは上がってしまいます。
つまり、不安や「やっかいな考えすぎ」を抱えている状態が続くと、いずれバッテリーは上がってしまいます(それはつまり、うつ病になることの比喩です)。
不安の大小によって、結果に辿たどり着くまでの時間が変化するというだけです。人びとは、すぐに回復するという見込みのもと、「辛抱して頑張る」という道を選びがちです。でも、バッテリーの調整は、人びとが思うより困難です。
それゆえ、これらの兆候を無視しないことの重要性を私は強調したいのです。バッテリーが上がりそうだなと感じたら要注意。身体があなたに何かを訴えようとしているからです。
英語の古い慣用句に「つぼみのうちに摘み取る」という言葉があります。これができたら、事態の悪化を未然に防ぐことができます。
『考えすぎてしまうあなたへ』
グウェンドリン・スミス 著
小谷七生 訳
CCCメディアハウス
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