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マウンティングはどこまで我慢すべき? 名医が教える「絶対に付き合ってはいけない人の条件」

2022年5月23日(月)11時35分
小林弘幸(順天堂大学医学部教授) *PRESIDENT Onlineからの転載

他人と自分を比較することは、ほとんどの場合デメリットしかありません。

「あの人がいなければ自分が選ばれたはずなのに」という考え方にとらわれて嫉妬心を押し隠そうとすると、ネガティブな感情がドロドロと渦巻き、自律神経の乱れから不眠や体調不良を招いてしまいます。

どんな分野においても、優秀な人ほど謙虚です。その人たちは自分が選んだ分野において、上には上がいることをよく知っているからです。

他人の悪口を言ってばかりの人、嫉妬にとらわれてパフォーマンスを落としている人は、「自分との戦い」から逃げているだけともいえるでしょう。他人を責めているうちは自律神経は乱れる一方です。

不調なときほど深く呼吸する

妬みやひがみなどのネガティブな感情との付き合い方は、ゴルフにたとえるとわかりやすくなります。

ゴルフのプレーは4人1組でコースを回るのが原則です。ところが4人で回っていると、毎回必ず誰か1人は調子が悪い人が出てきます。すると、その人の顔からは笑顔が消え、どんどん口数が減っていきます。

ゴルフはスコア(得点)順に打つ順番が回ってくる競技ですから、調子が悪い人が最後に打つことになります。すると、他の3人がどんどん前へ行くのに自分だけ置いていかれるような気分になってしまいます。

焦ると呼吸が浅くなり、交感神経が過剰に高まるため、血管が収縮して血流も悪くなります。当然、思うようなパフォーマンスもできません。

結果として、イライラする、焦る、プレーで失敗する、失敗が続くことでまたイライラする......という悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

しかしプロですら好不調の波があるのですから、誰しも「調子が悪いとき」があるのは当然です。

このような場面でこそ、ゆったりと行動し、いつものように声を出していくことが大切になります。焦りやイライラは、自分への期待値を上げすぎているから生まれるのです。

「今日は自分の好調日じゃないんだ」と考え直し、深い呼吸を心がけながら、淡々と打ち続けていく。

不調なときに欲を出して一発逆転を狙うと、99パーセントは失敗に終わります。100回やってうまくいくのはせいぜい1回でしょう。

なぜなら「一発逆転できるはずだ」と自分に期待するほど、肩に力が入って自律神経が乱れてしまうからです。

どうしても嫌な相手には「三猿」対応

日光東照宮の神厩舎(しんきゅうしゃ)に「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿が彫られていることは、皆さんご存じでしょう。人間関係のストレスを減らす上で、この三猿の姿には現代人が大いに学ぶべきところがあります。

どうしても苦手な人や相性が悪い人を前にしたときには、「見ざる・聞かざる・言わざる」対応に徹することをおすすめします。

すなわち、余計なものは見ない、余計なものは聞かない、余計なことは言わない。必要最低限のやり取り以外では、この三猿のスタンスを徹底していくこと。これを意識するだけで自律神経は圧倒的に整い、ストレスの半分以上が軽減されます。

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