『あなたのセックスによろしく』著者に聞く、フランスのタブー、身体のこと、驚きだった部位の構造
『あなたのセックスによろしく――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』著者ジュン・プラ
フランスでいま、大ベストセラーになっている書籍『Jouissance Club(ジュイサンス・クラブ)』の日本語版『あなたのセックスによろしく――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』(CCCメディアハウス)が5月29日に刊行された。
インスタグラムのコミュニティとしてスタートしたジュイサンス・クラブは、ポップなイラストとともにユーモラスにセックスを語り、ティーンから大人たちまで幅広い年齢層が支持。フィガロジャポン7月号「ライフステージで考える、女の身体と100年美容」でもその一部を紹介しているが、すべてのセクシュアリティに平等で、豊かなパートナーシップを築く助けになる新感覚の性のガイドブックだ。著者のジュン・プラに、本書を手がけた背景について話を聞いた。
――私たち日本人から見たフランスは「アムールの国」というイメージがあるので、フランスでセクシュアリティを語ることがタブーで、性教育が不十分であることを知り、驚いています。ジュイサンス・クラブによって、そんな社会に何か変化をもたらすことができたと感じていますか?
愛とセックスについてのフランスのイメージは、世界中で少し理想化されていると思います。性教育の問題、(性交渉に関する)同意について、そして性器の構造についてなど、私たちは非常に遅れているのです。
ジュイサンス・クラブを立ち上げて以来、何千ものメッセージを受け取っています。自分の性器の構造がようやく理解できた、初めてオーガスムが得られた、自分の抱えている問題を初めて表現することができた、さらにそれをパートナーと話し合うことができたなどです。それは、この本によって、自分たちの望むことと必要とすることの間に、懸け橋を築くことができるからです。要するに、自分の身体をよりよく理解し、自分に合わないセックスを繰り返す代わりに、自分の身体に耳を傾けるよう手助けしているのだと思います。
――どういうきっかけで、セックスの問題に取り組もうと思ったのですか?
本当のことを言うと、私は性交渉をする年齢になって以来、セックスが好きだからです。とはいえ、これまでに得たたくさんの男性パートナーの中で、挿入にこだわらないセックスを教えてくれたのはたったひとりです。この出会いは私にとって大発見でしたが、ほかのパートナーには、それこそ私が望んでいることだ、と理解してもらうことができませんでした。
17年経って、あるパートナーに、彼の手でヴァギナのどの部分にどう触れるか説明するために、技術的なデッサンを描くことを思いつきました。続いて、いわば私の身体の使用説明書を作るために、ほかのデッサンも描こう、と思ったわけです。