最新記事
レストラン

パセリを見たこともなかった僕が、チベットからNYに渡り由布院で総料理長になるまで 

The Restaurant That Calls You Back

2024年12月21日(土)14時45分
タシ・ジャムツォ(オーベルジュ「エノワ」のレストラン「ジングー」総料理長)

newsweekjp20241218112623-5e2ee1ef181d272d7332ac3e727df33b7582f42b.jpg

レストランのスペシャリテ「Bouquet」 SATOKO KOGUREーNEWSWEEK JAPAN

コース料理は野菜がメインで、ある日は大分産の小イカに自家栽培のジャガイモ3種(デストロイヤー、インカのめざめ、シャドークイーン)、それに自家製で作るサフランのサワークリームソースとバジルオイルを添えた一皿を。レストランのスペシャリテ(おすすめ料理)は、取れたての野菜をバスケットに入れてお客様にお見せした上で、アップルバター、ターメリックのヨーグルトリンゴバターなどで食べる一皿だ。

デザートは僕の大好きなケールから作ることもある。僕は冬のケールが一番好き。食感が硬くなるけれど、とても甘いし、何より朝は寒さで凍るのに昼になると元気に戻る、その生命力がすごいと思う。お客さんにも、これを食べて栄養をつけてもらいたい。


ここまで来るのに大きな後悔は1つもないけれど、小さな後悔があるとすれば、チベットの祖父母が亡くなったときにニューヨークにいて会えなかったこと。僕はおじいちゃん子だったから。祖父はインドやネパールに行くなど新しいものに寛容な人で、そういうところを僕は受け継いだのかもしれない。

本当にいろいろな人との縁に恵まれ大分にたどり着いた。エノワの名前の由来は「縁の輪」。レストラン名の「JIMGU(ジングー)」はチベット語で「帰る場所」の意味だ。僕だけでなくお客さんにとっても、ここが帰りたくなる場所であってほしい。

ENOWA YUFUIN
大分県由布市湯布院町川上 丸尾544
公式Instagram:@enowa.yufuin
Tashi Gyamtso:@tashi__gyamtso

20241224issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月24日号(12月17日発売)は「アサド政権崩壊」特集。アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書

ワールド

米議会、3月半ばまでのつなぎ予算案を可決 政府閉鎖
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、何が起きているのか?...伝えておきたい2つのこと
  • 4
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 5
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 6
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 9
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 10
    映画界に「究極のシナモンロール男」現る...お疲れモ…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 7
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 8
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 9
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中