新たな大谷翔平伝説が始まる...「ますますリスペクトされる選手に」
OHTANI’S FIRST POST-SEASON
大谷にとってMLB初のポストシーズンは大成功だった。サンディエゴ・パドレス、ニューヨーク・メッツ、そしてニューヨーク・ヤンキースとの対戦を通じて3本塁打、10打点を記録し、四球で13回出塁。ドジャースをフルシーズンとしては1988年以来初となるワールドシリーズ優勝に導いた(チームはコロナ禍でシーズンが短縮された2020年にも優勝している)。
ポストシーズンの初戦となった地区シリーズのパドレス戦では2回裏に同点3ランホームランを放って、7対5で逆転勝利するきっかけをつくった。続いて、ナショナルリーグの頂点を決めるメッツ戦では、6試合で打率3割6分4厘(22打数8安打)、2本塁打、6打点、出塁率5割4分8厘を記録して、メッツを圧倒した。
ワールドシリーズでは珍しく振るわなかったが(打率1割5厘、長打は5試合で二塁打1本のみ)、存在感は変わらず、ドジャースの優勝に大いに貢献した。
ワールドシリーズ第1戦は、大谷の機敏な走塁がなければおそらくドジャースが負けていただろう。8回裏1アウト、2対1で負けていた場面で、大谷は二塁打を放ち、送球がそれる間に三塁に進塁。続くムーキー・ベッツの犠牲フライで同点のホームを踏んだ。
大谷が機転を利かせて三塁に進んでいなかったら、このイニングもヤンキースがリードしたまま終わっていたかもしれない。そうなれば、その時点の勝率から考えて、ヤンキースが初戦を制した可能性が高かった。