韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
ノーベル文学賞を受賞したハン・ガン Frank May/dpa via Reuters Connect
<世界的な注目をきっかけに政府は韓国文学の普及を目指そうとしているが......>
ノーベル文学賞をアジアの女性として初めて受賞した韓国の作家ハン・ガン(漢江)。韓国では政府も挙げて受賞を祝い、これを機にK-POP同様に韓国文学をK-BOOKとして世界に発信していこうと盛り上がっている。そんなおり、ハン・ガンの作品が教科書などの教育分野で34件も掲載されているのに、著作権料が1ウォンも支払われていないことが明らかになった。韓国メディア韓国日報、イーデイリー、トップスターニュースなどが報じた。
「作家の連絡先が分からない」
この問題は、韓国の野党・祖国革新党のキム·ジェウォン議員が指摘して明るみに出た。それによると、教育目的で使われた著作権に対する補償金支給を担当する韓国文学芸術著作権協会(文著協)が提出した資料には、ハン・ガンの作品使用事例として少なくとも34件(教科書11件、授業目的4件、授業支援目的19件)を指摘している。
これだけの作品が使用されながら、著作権料がまったく支払われていなかった理由として文著協は「補償金分配のためには権利者の個人情報と受領同意が必要で、2017年から出版社を通じて補償金受領について案内してきた」としながら「ハン・ガン氏の連絡先が分からなかった」と釈明した。また補償金がいくらになるのかについては「個人情報なので具体的な金額を公開できない」と述べるに留まった。