「50-50」を達成しても挑戦を続ける大谷翔平、今季見せた2つの新たな側面とは
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大谷には常に大きな期待が集まっていたが、昨年12月にドジャースと10年総額7億ドルの契約を結んだときに最高潮に達した。いま彼はその期待を上回り、新しいチームをさらなる高みへ連れて行こうとしている。
「彼は本気だ」と、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は言う。「全ての野球選手の頂点を極めようとしている。それには誰もやっていないことを成し遂げなければならない」
これが大谷と契約するようドジャースを後押しした要因でもある。大谷がいれば、チームはどこへでも行ける──そう思えるのだ。
大谷をドジャースに導いたのも、一番になりたいという彼の熱意だった。古巣のエンゼルスから、豊富な資金と勝利の歴史を持つ「隣町」のドジャースへの移籍は、大谷が初めてポストシーズンの優勝争いに加わるという保証に近かった。
「自分への期待にうまく対処するには、特別な人間、特別な頭脳でないといけない」と、ロバーツは言う。「彼がプレーするときは、チームの勝利に貢献することに集中する。そしてスタジアムのファンの50〜75%が、自分のプレーを見に来ていると知っている。これは大変なことだ」
今季見せた2つの新たな顔
今季の大谷は、新しいチームと同僚を知り、新しいクラブハウスのカルチャーに適応するというプレッシャーを背負っていた。おまけに3月に韓国・ソウルで行われた開幕シリーズのさなかに、長年の通訳で友人でもあった水原一平を違法賭博事件で突然失った。水原は6月に銀行詐欺罪などで有罪を認めており、10月25日に量刑言い渡しが行われることになっていた。
だが水原側は12月20日に延期するよう申し立て、裁判所がこれを認めた。10月25日はワールドシリーズ第1戦の日。偉大な選手から金を盗んだ罪で量刑を言い渡されるのに適切な日ではないと考えたのだろうか。
水原が野球賭博の借金を支払うために大谷の銀行口座から約1700万ドルを横領したことが明らかになった後も、彼のプレーに全く支障がなかったという事実は注目すべきだ。
水原がドジャースを解雇され、代わってウィル・アイアトンが新しい通訳となって以降、大谷がロバーツやチームメイトに対してそれまでにも増して胸の内をさらけ出すようになったのは、誰にとっても思いがけない展開だった。
❝SHOHEI QUOTE_02❞
「メンタルがプレーに影響するとは思っていない。しっかりとした技術さえあれば、どんなメンタルでも打てると思っている」
(5月27日、水原元通訳の賭博問題のプレーへの影響について語って)