【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元で7ゴール見られてお得」日本に大敗した中国ファンの本音は...
前半12分には早くもキャプテンの遠藤航選手が先制点をたたき込み、ゴールラッシュの口火を切った Qin Zhicheng/VCG via Reuters Connect
<日本代表が圧勝したW杯最終予選をスタジアムの「中国代表応援席」で観戦。日本をお手本にした中国サッカーの惨状に、サポーターたちはどう思った?>
「自由がないと、サッカーは強くならないんだろうね」
9月5日、埼玉スタジアム2002で、サッカー・ワールドカップ26アジア最終予選、日本代表対中国代表の一戦が行われた。結果は7対0で日本代表が圧勝、W杯出場に向けて最高のスタートを切った。
私もこの試合を現地で観戦してきた。しかも、中国代表の応援席で。
これには理由がある。以前、野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも韓国対中国の試合を中国側応援席で観戦したのだが、これがすこぶる面白かった。
野球のルールをわからない中国人たちが頭に疑問符を浮かべながら一生懸命応援する姿を見たり、中国代表の内野守備がダメダメであることを見抜いた韓国がバントヒットを決めまくる姿に「弱い者イジメはやめろ!」とブーイングを飛ばしたりという体験は貴重だった。
今度はサッカーに行こうぜ、と友人のルポライター、安田峰俊さんにお誘いを受けたので10年ぶりぐらいにサッカー観戦をした次第だ。
ネットではブーイング、現地サポーターは「あきらめずに応援」
中国代表応援席は満員で、キックオフぎりぎりに入場した私は席が見つけられないほど。この試合のために中国からやってきたサポーターも相当数いたようだ。
ただ、試合が始まると、日本代表の猛攻が続き、中国が攻めるシーンはほとんど見られない。守って守ってセットプレーで得点、がゲームプランだと中国メディアは報じていたが、ここまでズタズタにされるのは想定外だったろう。前半だけで日本代表が2得点。ハーフタイムにはあきらめて帰宅する中国人サポーターが続出、後半に入り3点目、4点目が決まるとスタンドはがらがらに。
それでも中国本土からやってきた、コアな中国人サポーターは最後まで残って応援していた。試合後にサポーターのリーダーからは「あきらめずに応援しよう」との暖かいメッセージ。残っていたサポーターで中国国歌を歌って帰路に就いた。
■泣きながら「踢人」ならできるやろ... 応援席の様子を伝える動画
とはいえ、現場のサポーターの穏やかさに反して、ネットではブーイングの嵐。直接的に叩くのではなく、あきらめの境地に達した自虐ジョークが目立つ。
「試合放棄だと0対3での負け扱いになるんだよね。だったら......」
「CCTV(中国中央電視台)の無料中継がなかった理由がわかったわ」
「有料放送で見たが、10元(約200円)で7ゴールも見られたのでお得」
「日本のゴールキーパー、どんな顔していた? 見る機会がなかったわ」
「中国代表は警察に通報すべき。日本代表が一方的に殴ってきて、こちらは一切手出しをしてない。裁判沙汰になればこっちの勝ちだ!」