最新記事
音楽

「ローカリズムをグローバルにという点で、Number_iにはめちゃくちゃ可能性を感じている」

2024年8月28日(水)14時40分
田澤映(ジャーナリスト)

ジン(神宮寺)くんは、うまく2人の橋渡し役になっている印象がありますね。うまくバランスを保てているのはジンくんがいるおかげだな、と。どっちの話もうまく聞いてその上で自分の意見を言っている。

そのバランスがグループとしての魅力になっていて、それは音にも出ているんじゃないかなって思いますね。「GOAT」では平野くんがクールな声、岸くんがちょっとぶっ飛んだクレイジーな声。そしてジンくんが、ジンくんももちろんかっこいいんですけど、どちちも支えるようなポジション。音的にもすごくバランスがいいんですよ。


だからデモを聞いただけだったら、例えばPecoriの歌メロやラップだけだったら凡庸かなって思う曲だったとしても、あの3人がそれぞれ歌割りを決めて歌うとすごくいい曲になる、そういうマジックがあるんです。それは自分たちの強みとして、彼らも自覚していると思います。

それと、ボーイズグループ戦国時代の中で彼らしかやっていないことが1つあって。それは「お笑い」なんですよ。

たぶん今、「お笑い」のエッセンスがあるグループってほかにない。「BON」のミュージックビデオで(コントのように)タライが落ちてくる場面がありますが、お笑いという日本の文化的要素を表現できるのはNumber_iしかいないって思います。

──セカンドアルバムからプロデュース制を始めて、例えば平野さんは「BON」についてどういうことを伝えてきましたか。

まず、「盆栽」っていうテーマで曲を作りたいんです、っていうことからです。なぜかと聞いたら、最近植物が好きで盆栽に興味があって、と。盆栽は100年、何百年とかけてあの形になるもので、僕たちもファンに支えられて成長する、そういうことを表現したいという思いを伝えられたんですよね。

ただ、じゃあそのまま和の要素を入れよう、というのは安直な表現になりかねないので、そこをどういやらしくない形で表現するかが課題だよね、といったディスカッションをしました。

海外の人から見ても、日本の人から見てもクールなものにしなきゃいけないという使命感は、発注を受けたときからありました。

──今後のNumber_iはいろいろなジャンルを取り入れながら曲を作っていくことになりそう?

僕の理想としては、彼らには彼らにしかできないもの、日本発のオリジナルのものを生み出してほしい。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中