「谷間」がまる見え、だが最も注目されたのは「肩」...ジェンナー姉妹の投稿に専門家が警鐘を鳴らすワケ
Experts Warn Against Kylie Jenner-Inspired 'Yacht Shoulders' Body Trend
Danny Moloshok-Reuters
<ジェンナー姉妹のスリムすぎる肩が「ヨットショルダー」の呼び名で新たな美のトレンドに。この流行について専門家たちは「有害」だと警告>
米セレブのケンダル・ジェンナーとカイリー・ジェンナーがスペイン旅行中にSNSで披露した、肌を露わにした装いの動画や写真が大きな注目を集めている。胸元が大きく開き、体のラインを大胆に露出した服装だったのだが、何よりも世間に注目されたのは、彼女たちの「肩」だった。現在では「ヨットショルダー」の呼び名で、女性たちの憧れの的になっているという。
■【動画】ジェンナー姉妹、セクシーすぎたバカンス写真が物議...まる見えの「谷間」より注目された「肩」
サイギャップ(太もものあいだに隙間があること)、ビキニブリッジ(非常にスリムな人がビキニを履いた際に出来る、ビキニとお腹部分との間のすき間)、レギンス・レッグ(脚が細くてレギンスが似合うこと)──。私たちはこうした有害な美の基準に慣れっこになっており、そのときどきの流行の容姿に絶えず順応するよう強いられている。
そして目下、どう考えても達成できそうにない新たな基準が、若い女性たちに押し付けられている。その最新流行が「ヨットショルダー」だ。これを受けて、体型に関する流行を妄信することには潜在的な危険が伴うと、専門家らが警告を発せざるを得なくなっている。
ヨットショルダーの火付け役は、ケンダルとカイリーのジェンナー姉妹だ。姉妹は6月に休暇でスペインのマヨルカ島を訪れた際、ヨット(豪華な大型プレジャーボート)上で写真を撮影したが、注目を集めたのは旅行の様子だけではない。何よりも目を引いたのは、2人のほっそりした肩だった。
マヨルカ島で休暇を過ごす姉妹を目にした多くの人が、新たな不安を抱いた。そして、ジェンナー姉妹のほっそりした肩と突き出た鎖骨を見たファンやフォロワーが、2人が打ち立てた「美の基準」を自らも満たそうと、肩回りがスリムになるエクササイズを検索し始めた。
ヨットショルダーは不健全で非現実的だと心理療法士
「ヨットショルダー」は、疑うことを知らない女性に新たな不安を植え付けただけではない。「こうあるべき」という体の基準や体型、サイズを、トレンドとしてとらえるべきではないという怒りにも火をつけた。なぜなら、醜形恐怖症や自己肯定感を巡る問題、摂食障害につながりかねないからだ。
「カーダシアン一家が火付け役となった多くのトレンドと同じく、ヨットショルダーもまた、女性の体に対する不健全で非現実的な期待を助長するものだ」。心理療法士のシーナ・ホーイは本誌にそう語った(カーダシアン一家は、ジェンナー姉妹が属するファミリーで、リアリティ番組で有名になった)。
「欠点のない完璧なセレブの写真を目にすると、その瞬間に、羞恥心と欲望が混ざり合った、目立たないが強力な感情が湧きおこる」とホーイは続ける。「その感情はたいてい、次のように変化する。写真を目にすると、まずは羨ましいと感じる。その羨ましさはたちまち、自分の体に対する恥ずかしさへと変わる。そして、自分の体を変えたいという、ある種の欲望へと変化していく」
「そのあとはたいてい、すぐに結果を出そうとして偏ったやり方に手を出す。たとえば、厳格なダイエット法やトレーニング、食事制限などに取り組み、食べ物と体の関係が不健全になる。そうした偏ったやり方が失敗すると(必ず失敗するのだが)、自分の不安の原因になったセレブではなく、自分に問題があると自責してしまうのだ」