米政権、アリゾナ州銅鉱巡る土地交換承認へ 先住民反対も開発に一歩

トランプ米政権は17日、西部アリゾナ州に位置する世界最大級の銅鉱山「レゾリューション」における資源大手リオ・ティントとBHPグループによる開発を前進させるため、必要な土地の交換を承認する方針を明らかにした。米最高裁前での抗議行動、昨年9月撮影(2025年 ロイター/Piroschka van de Wouw/File Photo)
[17日 ロイター] - トランプ米政権は17日、西部アリゾナ州に位置する世界最大級の銅鉱山「レゾリューション」における資源大手リオ・ティントとBHPグループによる開発を前進させるため、必要な土地の交換を承認する方針を明らかにした。
米農務省森林局が土地交換に必要な環境報告書を60日以内に公表すると表明。採掘が実現すれば、米国の銅需要の4分の1以上を供給し、トランプ大統領が掲げる米国の鉱業強化への柱となる。
一方、銅鉱山の採掘などによって宗教的に重要な場所が破壊されるとして、多くの先住民が反対している。米国が銅需要の約半分を輸入に依存する中、中国に対抗して重要鉱物の生産拡大を目指す政権側との緊張が高まりそうだ。
米議会と当時のオバマ大統領は2014年、環境報告書を公表するという条件付きで同鉱山開発の承認に動いた。1期目のトランプ大統領も承認したものの、その後バイデン大統領が撤回していた。
先住民と環境保護活動家がつくる非営利団体は24年9月、米最高裁に対し、土地交換の阻止を求めた。鉱山が開発された場合、政府は憲法修正第1条が保障する宗教の自由を侵害することになると主張しているものの、審理されるかどうかは明らかになっていない。
レゾリューション・プロジェクトにはリオ・ティントが55%、BHPが45%それぞれ出資し、既に20億ドル以上を投じている。リオ・ティントは今回の動きを「前向きな一歩」と歓迎し、事業への取り組みを継続する姿勢を表明した。