最新記事

映画

「ネタばらしはしない」──『アナ雪』のジョナサン・グロフがホラー初挑戦へ

His First Horror Film

2023年2月25日(土)17時35分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)
ジョナサン・グロフ

ネタばらしはしないと語るグロフ。演技に加え歌のうまさにも定評がある FRANCIS SPECKERーCBS/GETTY IMAGES

<「どんでん返しの名手」シャマラン監督の新作で異常な緊張状態に投げ込まれた。大いに勉強になった映画『ノック 終末の訪問者』とは?>

M・ナイト・シャマラン監督の映画では、ラストに驚きの仕掛けが待ち受けているのがお約束だ。新作映画『ノック 終末の訪問者』(日本公開は4月7日)は、出演したジョナサン・グロフでさえ全く先が読めずに「途方に暮れた」という。「僕らは監督に導かれるまま、ひたすら彼の狙いどおりに演じようとしていた」

グロフ演じるアンドルーは同性のパートナーと幼い娘と共に休暇を過ごしに森の中のコテージにやって来る。そこで一家は究極の選択を迫られることに......。選択を間違えたらその瞬間、世界は滅びる。

アニメ映画『アナと雪の女王』のクリストフの声を務め、特にシリーズ2でその歌唱力が高く評価されたグロフ。ブロードウェイの舞台でも大活躍している。ミュージカルの舞台と映画・テレビの仕事では全く勝手が違うが、そこがまた面白いと目を輝かす。「ホラー映画に出るのは初めてで、とても勉強になった」

いま旬の役者グロフに本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。

◇ ◇ ◇


――『ノック』出演を決めたのは?

ナイト(シャマラン)の作品と聞いたからだ。それから脚本を読んで大いに興奮した。腹にガツンとくる。予告編で暗示される究極の選択、いけにえ、家族、家への侵入。何もかもが本能的な反応を呼び覚ます。僕の場合はそうだった。心臓が狂ったように高鳴った。

――シャマランはどんでん返しの名手と呼ばれているが、撮影現場ではどうだった?

監督はストーリー展開を完全に頭に描いていた。アニメのストーリーボードみたいにね。現場に入ると、最初のリハーサルのときから監督がきっちり指示を出す。どんな絵が欲しいか、どう物語を伝えたいか、彼には分かっているんだ。こっちは(役柄と同様に)先が読めないまま異常な緊張状態に投げ込まれる。

――こういう映画に出ると、結末をバラさないよう黙っているのが難しくないか。私ならついしゃべりたくなる。

僕も秘密を守れるタイプじゃない。でも作品に対する敬意、そして監督に対する敬意から、そこは大人になって黙っていられる。普段はもっとガードが緩いよ。

――あなたが主演した人気ドラマシリーズ『マインドハンター』の再開は無期限保留中となっているが、いつ制作されるのか。ファンの1人としてとても気になる。

僕も知らない。(監督・製作総指揮の)デービッド(フィンチャー)の一存で決まる。彼がやる気なら、出演者は全員大乗り気だから、すぐにでも再開できるはずだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

商船三井の今期、純利益を500億円上方修正 市場予

ビジネス

午前の日経平均は続伸、米株高の流れを好感 徐々に模

ワールド

トランプ氏「BRICS通貨つくるな」、対応次第で1

ワールド

米首都の空中衝突、旅客機のブラックボックス回収 6
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中