「子供はキャリアを持つべきではない」元子役スター2人が語る芸能界で育つ功罪
The Perils of Fame
実在のコメディアンのパロディー伝記的映画で共演したラドクリフ(右)とウッド ASTRID STAWIARZ/GETTY IMAGES FOR REEDPOP
<10代からアルコール依存に恋愛ゴシップ......「学びも多かったけれど、お勧めはしない」ダニエル・ラドクリフとエバン・レイチェル・ウッドの偽らざる本音とは?>
映画『ウィアード:アル・ヤンコビック物語』(原題)で共演した俳優のダニエル・ラドクリフとエバン・レイチェル・ウッドが本誌とのインタビューで、有名子役だった子供時代を振り返った。
『ウィアード』は、パロディーソングで有名な実在のコメディアン、アル・ヤンコビックのパロディー伝記映画。ラドクリフはヤンコビックに、ウッドはマドンナ(作中では悪役扱い)に扮する。
ラドクリフは10歳の時に俳優デビューし、ハリー・ポッター役で世界的大スターになった。それでいいこともあったにせよ、他の子役には、小さい頃からスターになるのはお勧めできないという。
「自分の子供には、もし子供ができたらだけれど、映画のセットの周辺にいてほしいとは思う」と彼は語った。「撮影セットに来た子供に、『美術スタッフになりたい。映画の○○のスタッフになりたい』とか言ってもらうのが夢かな。関わりは持ってほしいんだ。子役じゃなくてね」
ウッドもデビューは早かった。両親は映画関係者で、約7歳でテレビドラマで子役デビュー。1990年代には人気ドラマ『プロファイラー犯罪心理分析官』などに出演。映画『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』で初めてゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされたのは16歳の時だった。
「これまで順調にやってこられた人間だから言えることではあるけれど」と、ラドクリフは言う。「いまだに僕らは俳優をやっている。つまり僕たちが芝居を楽しんでいるのは間違いない。それでも子供を有名人にはしたくないな」
何が何でも避けるべき
「有名になるのが問題なのよね」とウッドも言う。「子供が演技をするのは素晴らしいことだと思うの。演技は、子供時代には特に、芸術の一つの形であり、表現の形だと思うから。私自身、演技を通して自分自身と他者について、また共感と人と人とのつながりについて、存在についていろんなことを学んだから」
「それでも子供は『キャリア』を持つべきではないと思う。そこは一線を引きたい」とウッドは語った。