最新記事

世界に挑戦する日本人20

世界は「届かないとは思わない」YOSHIKIが語る日本エンタメ界の現在地と、LAで挑戦を続ける訳

2022年9月2日(金)13時15分
YOSHIKI(アーティスト)

世界に出ていく上で、壁が高いとか低いとかいうのは、個人の、人それぞれの感覚でしかないとも思っている。300メートルの山を高いと思うのか、3000メートルの山を低いと思うのか、それぞれの考え方次第だ。実際にハリウッドに行ってみて、意外にこの山は高かったとか、頂上は見えないけど登ってみようとか、そういうことなのかもしれない」

その挑戦する心は、子供の頃から持っていた資質なのだろうか。

「僕の父親がギブアップしてしまったわけです。人生を放棄してしまった(編集部注:父親はYOSHIKIが10歳の時に自死している)。それは大きかった。だから自分は放棄しない、と決めていた。

人はいつか死ぬ。でも生を与えられている以上、思い切り生きるということ以外にチョイスはない。

人生に、折り返し地点もないと思っている。折り返していると思う時点で、なんとなくテンション下がりません(笑)? 折り返す必要なんてない。20代の時に思っていた夢と、30代、40代、50代では違うかもしれないけれど、いつも夢はあるわけだから、そこに向かっていけばいいんじゃないかな。

今の僕は、いろんな意味でまだ全然やり切っていないので。MSGやウェンブリー、カーネギーホールなどで公演してすごいですねって言われると本当にうれしいけど、アメリカでどれだけ僕のことが知られているのかと言えば、まだhousehold name(誰もが知っている名前)ではないし。自分としても、せめてここまでやったんだって思えるかと言えば、全然納得がいっていない。

例えば100メートル走だったら何秒とかいうスコアが明白に出るけれど、芸術の世界は、一枚の絵の評価についても見方によって分かれてしまう。僕はそういうアートの世界、音楽という世界にいるので、自分が納得するまでやってみたいと思っている。

でも、弱い自分もいますよ。すごい無敵な自分もいるけれど(笑)、弱い自分もいて。でも無敵な自分が、その中でもやっぱりどこか勝っているんですよね。

本当に闘っている相手は結局は自分なんじゃないか。挑戦する先として世界という大きなものは確かにあるけれど、まずは自分に打ち勝たなければ世界には勝てないと思っている」

――構成・小暮聡子(本誌記者)

YOSHIKI
作詞家、作曲家、X JAPANのリーダーとしてピアノ、ドラムを担当。これまでに天皇(現上皇)陛下御即位十年記念式典の奉祝曲、ハリウッド映画のテーマ曲、米ゴールデングローブ賞の公式テーマ曲を作曲するなどグローバルに活動。その他、最近では世界に挑むボーイズグループのオーディション企画「YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X」や日本コカ・コーラ社とのコラボで誕生した「リアルゴールドX/Y」を手掛けるなど、活動は多岐にわたる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

政策調整急がず、現状の金利は適切な水準=FRB副議

ワールド

OPECプラス8カ国、5月から日量41万バレル生産

ワールド

米関税措置で25年の世界貿易1%減、報復の連鎖を懸

ワールド

米関税「根拠ない」、欧州企業は対米投資中止を=仏大
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中