「自分たちらしく、時代に合ったものを」デュラン・デュランが語る40周年
Forty Years Later
現在のデュラン・デュラン(左からロジャー・テイラー、ジョン・テイラー、サイモン・ルボン、ニック・ローズ) STEPHANIE PISTEL
<アルバムデビューから今年で40年を迎えた、元祖ビジュアル系バンド「デュラン・デュラン」が最新作で到達した新たな境地>
バンド結成から40年以上たつのに、このイギリス男たちの熱い絆は変わらない。ギターのアンディ・テイラーこそ抜けたものの、ボーカルのサイモン・ルボン、キーボードのニック・ローズ、ベースのジョン・テイラーとドラムのロジャー・テイラーの4人は不動のメンバー。浮き沈みの激しい業界の荒波を、力を合わせて乗り越えてきた。
「どんな嵐にも負けなかったのは、一緒に仕事をするのが楽しかったからだ。個人でやるよりも、グループでやるほうがずっと力強い作品を生み出せる」と、ローズは言う。
そのデュラン・デュランが通算15枚目のスタジオアルバム『フューチャー・パスト』を出した(日本では10月27日発売)。デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックなどから受けてきた「過去」の影響を常に意識しつつ、一方で常に「未来」に目を向けて新しい音楽を生み出し続けるデュラン・デュランにぴったりのタイトルだ。
本作には、しゃれたエレクトロポップから洗練されたアートロック、さらには強烈なファンクロックまで、彼らの「らしさ」がふんだんに盛り込まれている。プロデューサーにはマーク・ロンソンを迎え、日本のガールズバンドCHAIやピアノのマイク・ガーソンなど、ゲストアーティストも豪華な顔触れだ。
「どんなアルバムも僕たちらしくなければいけないし、時代に合っていなければいけない」と、ローズは言う。「両方のバランスを取るのは難しいが、それをやり遂げてこそ僕らの音楽になる。今度もその水準をクリアできたと、みんな確信している」
多彩なコラボにも挑戦
最新シングルのタイトルは「アニバーサリー」で、1980年代前半のデュラン・デュラン全盛期を「記念」するような作品。ベースのジョンに言わせれば「自分たちらしいサウンドを意識的に組み込んだという点では例外的な曲で、いわば自分たちへのトリビュート」だ。
今回のアルバムでは、新たに3人とのコラボにも挑戦した。1人目はイギリス在住のプロデューサー兼DJで、デス・フロム・アバヴ1979などのリミックスを担当したことで知られるエロル・アルカンだ。ドラムのロジャーによれば、「彼は現場に強烈なエネルギーをもたらし、私たちから素晴らしいものを引き出してくれた」。