『嫌われる勇気』に『Winning Edge』エディー・ジョーンズが戦い方を学んだ良書
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<かつて日本代表を率いたエディー・ジョーンズは「時間の余裕があるときに貪るように読書する」と言う。ラグビーの指導を目的に本を選ぶことが多く、体が小さい日本人の戦い方も、ある本にヒントを得た。本誌「人生を変えた55冊」特集より>
この仕事をしていると、読書の時間をたっぷり取れる時期もあるけれど、大会期間中は難しい。そのため、時間の余裕があるときに貪るように読書する傾向がある。
私は仕事中心の日々を送っているので、ラグビー指導者としてのパフォーマンスを高める目的で本を選ぶことが多い。ただし、そのまますぐに実践できる方法論を学ぶというより、基本的な考え方を学びたいと思っている。
いつもデスクに置いてある本がいくつかある。そのうちの1つが『ウィニング・エッジ』(邦訳なし)だ。何らかの状況に対処する方法を学びたければ、この本を読めばいい。この点では、最近あるコーチと話していて意見が一致した。
『ウィニング・エッジ』
ドン・シュラ[著]
E・P・ダットン(邦訳なし)
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良書とはそういうものだが、この本の有用性は時間がたっても失われていない。今は絶版だと思うが、コーチング本の決定版と言えると思う。
人間の心理に関する本もよく読む。面白くて、いくつか教訓も引き出せるような本が好きだ。例えば、マルコム・グラッドウェルの『逆転!』には刺激を受けた。人生に対する見方が根本から変わるような一冊だ。
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小さな少年のダビデが工夫して巨人を倒す物語は、(私が監督を務めた)ラグビー日本代表にも参考になるものだった。私たちはワールドカップで、ほかの国の体格のいい選手たちと戦わなくてはならなかった。以前は、そうした体格の違いが言い訳になっている面があった。「日本人は体が小さいから、勝てるわけないよ」と。この本は、正しい戦略を実行すれば勝てるのだと教えてくれた。
最近はオーディオブックも利用している。毎朝、聴きながら45分間トレーニングをする。『カブス・ウェイ』(邦訳なし)も耳で聴いた。2016年に100年以上ぶりにワールドシリーズを制覇した大リーグのシカゴ・カブスに光を当てた本で、チームづくりに関する素晴らしい知恵が詰まっている。
『カブス・ウェイ』
トム・バードゥッチ[著]
スリーリバープレス(邦訳なし)
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このときカブスは、データ分析を重んじる一方で、人間をよく知っているベテラン監督のジョー・マドンを起用した。彼は就任早々、リトルリーグのような基礎練習を取り入れた。選手たちは最初は疑問を持ったが、おかげで基礎的なプレーの質が向上した。
スポーツチームで高いパフォーマンスを引き出すためには、プレーヤーが互いを信頼し、共通の目的を抱くよう促さなくてはならない。マドンは基礎練習を課すことにより、それを成し遂げたのだ。