トランプが韓国映画『パラサイト』アカデミー受賞にケチ? 多様性認めぬアラ探し、映画界の外野から
トランプの発言にメディアは?
このトランプ大統領の演説が報道されると、『パラサイト』のアメリカでの配給会社NEONは21日公式Twitterで、演説動画と共に「Understandable, he can't read. (理解できるよ。彼は(映画を)読み取れてない。)」と皮肉めいたツイートをアップしている。
また、CNNの記者Chris Cillizzaは、21日「Donald Trump's fundamentally un-American 'Parasite' critique根本的に反アメリカ的なドナルド・トランプのパラサイト批評」と称し、トランプ大統領を批判する意見を述べた。Chris Cillizzaは、「『パラサイト』のアカデミー賞受賞を祝うよりも、多様性を酷評する行為は純然と反アメリカ的行為そのものだ」と訴え、「トランプ大統領は、自分のビジョンが米国の建国原則と相反しているということを理解していない」「米国は基本的に、多様性をほめたたえて、メディアの自由と多様な観点を奨励する」と強調した。
巧みに切り返したNYタイムズ
ワシントンポストやニューヨークタイムズ紙でもこの発言は取り上げられた。特に、ニューヨークタイムズ紙では、22日にコラムニストMaureen Dowdが「アメリカのパラサイト」というタイトルで、トランプ大統領の演説は"外国人嫌悪的映画批判"と指摘した上で、「トランプ大統領は奴隷制度をロマン化した映画や、消えた過去に執着する老人俳優が出ている映画がお好きなようだ」とし、「映画『風と共に去りぬ』ではアトランタが火炎に包まれたが、トランプバージョンではワシントンが燃えている」と皮肉たっぷりの記事を掲載した。
歌手であり、数多くの映画にも出演している大御所女優ベット・ミドラーも、21日自身のTwitterで「ドナルド・トランプ大統領が、映画パラサイトのオスカー受賞を批判しましたが、私はホワイトハウスに寄生虫(パラサイト)が暮らしているという事実の方が腹が立つ」と、映画のタイトルに掛けた彼女らしい批判ツイートをアップして話題となっている。