トランプが韓国映画『パラサイト』アカデミー受賞にケチ? 多様性認めぬアラ探し、映画界の外野から
トランプ以外にも白人至上主義な発言が
多くの人が映画の映画祭の多様性を認め、パラサイトの受賞を文句なしで称えているが、一部批判的な人もいることは確かだ。特に、外国人の受賞ということで、映画界以外からの人種差別とも取れる批判発言が波紋を呼んでいる。
なかでもNBCのトークショー「The Ellen DeGeneres Show」で、メイン司会者のエレンの発言が人種差別だとして問題視されている。彼女は、パラサイトのアカデミー賞受賞に触れ、「通訳さんにすぐにメールを送り、通訳がポン・ジュノ監督にメールし、通訳がまた私にメールを送った。私はヌード送ったんだけどそれに対し答えが無かった」と、監督が通訳を介してインタビューや舞台挨拶を行っていたこと、つまり英語が堪能でないことをネタにした。さらに、トークネタが軽い映画のネタバレであることにも批判が集中している。
また、タレントのジョン・ミラーのTwitterでの発言も波紋を広げている。彼は、「ポン・ジュノ監督が『1917 命をかけた伝令』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を押さえてアカデミー脚本賞を受賞した。受賞後、最初の感想は「Great Honor. Thank you(大変光栄です。ありがとうございます)」と言い、それ以外を韓国語でスピーチした」「こういう人たちがアメリカを破壊するんだ」と発言した。多くの発言撤回を求める返信ツイートが付くなか、R&Bの大物歌手ジョン・レジェンドが「誰かから金を貰ってこんな間抜けなツイートを書いたのか?それともただ楽しんで書いているのか?」と怒りの返信ツイートを書き込んだことからさらに注目が集まった。
騒ぎが大きくなると、ジョン・ミラーは「"このような人たち"とは、韓国人を称したのではなく、階級葛藤を深化させる外国映画に賞を与える人々の事を言ったんだ」と苦し紛れの言い訳をしている。
作品を批判する人はいなかった
大半の人は映画の素晴らしさを称えている。一部の批判側の言い分も言語や受賞に対してであり、映画自体に対してではない。それは、すでに文句つけようのない良い作品を目の前にすれば、批判しようとしてもできないことを意味する。荒探ししたい人が細かい揚げ足取りを始めるのは万国共通だ。
それでも、「やはりアカデミー賞はアメリカの賞であり、アメリカの作品が受賞しなければならない」と言うならば、多様性を認める世界の流れに逆らってでも、今後そういう規約を作って審査し、授賞式をすればいい。ただ、そうしたところで今までのような威厳のある、世界中が認め注目する賞として維持できるかは謎である。