最新記事

日韓関係

韓国ボイコットジャパンは競馬にまで 「コリアカップ」日本馬排除でなくしたものとは?

2019年11月30日(土)11時30分
山本 智行(共同通信社記者) *東洋経済オンラインからの転載

驚いたことに、場内の売り上げは743億ウォン(約68億円)、入場者は12万1424人と、昨年比でそれぞれ98億ウォン(約9億円)、6660人増と大盛況だった。「今年は秋夕(チュソク・中秋節)の連休直前とカレンダーが良かった面も考慮する必要があります」とKRAは冷静だった。

それでも、「さぞかし地元メディアは大々的に取り上げているのだろう」と翌朝、スポーツ紙、一般紙を8紙買い込みチェックしてみたら、なんとどこにもない。唯一「スポーツ東亜」が写真付きで事実関係を掲載していただけだった。肩すかしをくらった格好だった。この点はお国柄というか、予想紙は感心するほど種類が豊富なのに、結果の報道は関心を持たれていないようだ。

今回、韓国は日本馬を招待しなかったことで、国際化へ向け「回り道」をすることにもなった。というのも、韓国は2016年7月に国際競馬統括機関連盟(IFHA)の「パート2国」へ(日本などはパート1国)。今年から前出の両レースは「国際G3」に認定される予定だったが、格付けの基準となるレーティングを高めてきた日本馬が不在のため、格付けが取り消されてしまった。

レースが終わった後、地元の競馬ファンに聞くと「日本馬が来ても、今年は韓国馬が勝っていたよ」と話していたが、多くのファンは喜びの中、のど元に小骨がささったような感覚を少なからず持っていたのではないか。KRAのある幹部も「素直に喜べない」と口にした。

進化中の韓国競馬が、来年の2020年こそ「画竜点睛を欠く」、にならないことを強く願う。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
toyokeizai_logo200.jpg


「コリアカップ」1800Mの中継映像 KBS N스포츠 / YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中