配信サービス全盛の今、映画館はどこへ向かう? ビジュアル重視の韓国、定額制のアメリカ
誰もが映画上映会を開催できるサービス
世界的に見ても映画観覧料が高いとされる日本ではどのような新たな試みがされているのだろうか? ここ数年で増えた応援上映や爆音上映は日本独自の文化かもしれない。元々盆踊りなど、皆で何かを一緒にすることを好む日本人は、映画作品も一緒に観覧し応援することを好むのかもしれない。
そんな日本人らしさをネット配信時代に活かした映画サービスも生まれた。2017年4月に開始されたマイクロシアターサービス「ポップコーン」だ。ネット環境やプロジェクター、スクリーンがあれば誰でも映画館オーナーとなって上映会を開催できる。通常、上映費用は1回あたりで料金が設定されるが、ポップコーンでは入場者数に応じて上映料が発生する。これにより、もしも上映会の来場者が少なくても開催者側のリスクは少なくて済む。映画上映会をもっと気軽に楽しめるきっかけになりそうな取り組みだ。
なぜわざわざ映画館に足を運んで映画を観るのか。暗闇の中で他の観客らと共に一体となってその瞬間を共感しあうためだと答えた人がいた。しかし、今の時代ネットには観客同士の映画レビューがあふれ、それに共感しあうこともできる。場合によっては鑑賞後のネットの中での語り合いの方が、リアルな世界よりも共感しあっているのかもしれない。
映画がフィルムからデジタルになったように、今、映画を観るスタイルも急速に変わりつつある転換期だ。あと数年もすれば、映画を観るという理由だけで、映画館にわざわざ足を運ぶ時代はもう終わるかもしれない。その時が来る前に、映画館経営者は次なるすべを模索するべきである。