最新記事

アメリカ社会

「出会い系」ブームで、熟年のバレンタインが熱い

2016年2月13日(土)10時13分
小暮聡子(ニューヨーク支局)

デート相手は同時並行で何人いてもいいから

「他の出会い方より危険だ」と感じるのは女性が53%、男性が38%と男女に差があるのは、アメリカでは恋人未満の「デート相手」とでもカラダの関係に発展するケースが多いからだろう。そもそもこの国では「デート相手」と「恋人」というのは全く別のカテゴリーであり、単なるデート相手から正式な「彼氏彼女」に昇格するまでには"ベルリンの壁"が立ちはだかっている。

【参考記事】アメリカ人の想像を絶する日本の「草食男子」

 デート相手は同時平行で何人いてもよく、反対に彼氏彼女というのはお互いにエクスクルーシブ(あなただけよ)な関係、つまり他の男女に手を出したらそれは「浮気」になるという、日本でいうところの「恋人」だ。この、恋人にしたいかどうかのお試し期間(=デート)のうちにセックスも試してみるというのはよく聞く話で、同時期に何人のデート相手と熱い夜を過ごそうとも「ルール違反」にならないため、男性よりも女性のほうが「危険」を感じても不思議ではない。

 さらに厄介なのは、アメリカには「付き合ってください」と告白する文化がなく、デートしている段階では自分が正式な「恋人」なのかどうかが分かりづらいこと。「僕の彼女になってくれる?」とコクハクする真面目男子も中にはいるらしいが、一般的には、友人などに「この子は僕の彼女」と紹介されて初めて「彼女に認定された」と気付いたり、「お互いにエクスクルーシブな関係になろう」という話し合いを経るなどして「恋人」にレベルアップする。「出会い系」はデート相手探しのハードルを下げてはくれても、そこから恋人や生涯の伴侶になるまでの道のりは自分で切り開くしかないようだ。

「必死な」熟年シングルが求めるのは、生涯の伴侶かデート相手か。いずれにせよ、経験豊富で若者よりも「危険」を回避できるであろう中高年にとって、こうしたツールがホットな出会いの場になりつつあることは間違いない。「デートしたい」気持ちは何歳になっても同じはず。中高年の皆さん、アメリカ人に負けじとがんばりましょう(ただし、「独身者」限定で)。 

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解

ワールド

アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中