最新記事
教育

「YouTubeで調べてもいいのでしょうか?」...池上彰が説く、デジタル時代に子供に「教養」を身につけさせる方法とは

2023年7月18日(火)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
iPad, YouTube

Thais Ceneviva-shutterstock

<3歳児の半分以上がインターネットを利用し、知りたいことはYouTubeでチェックする現代っ子たち。動画サイトで教養は本当に身につくのか!? >

長い人生を幸せに生きるために、子どもたちにぜひ身につけてほしいものが「教養」であると、ジャーナリストの池上彰氏は言う。

しかし、多くの情報が一瞬で手に入るデジタル時代における教養とは何か? そもそも YouTubeやインターネットで得た知識は教養と言えるのか? 『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(主婦の友社)の著者である、池上氏が語った。

◇ ◇ ◇

 
 
 
 

3歳時点で50%以上がインターネットを利用しているという現実

暮らしの中のデジタル化は加速度的に進んでいて、子どもの世界も例外ではありません。デジタルデバイスに接したことのない子どもは、もはや絶滅危惧種と言えるでしょう。

令和2年に内閣府が発表した調査によれば、3歳で50%以上、小学生では90%近くがインターネットを利用しています。そして中学入学前後には、自分専用のスマートフォンを持つ子どもが多数派になります(*1)。 

最近は大学入試についても、ChatGPTといった生成AIを利用した出願の影響などが懸念されています。

生まれた時から家にパソコンや携帯電話、スマートフォンがあったデジタルネイティブの子どもたちは、情報の集め方も親世代とは隔世の感があります。

何かを知りたい時、まず向かうのは本ではなくインターネットです。中でも、YouTubeなどの動画サイトやTwitterやInstagramなどのSNSで調べ物をする子どもが急増しています。

図書館にこもって資料集めをしていた親世代の中には、これがどうにも受け入れがたいという人もいるようです。YouTubeでお手軽に調べたことは、きちんとした知識なのだろうか、と不安になるわけです。

私の経験では、その不安は正しいのです。しかし、現代の子どもたちを動画サイトから遠ざけておくのが非現実的なのもまた、まぎれもない事実です。

(*1)令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査

お知らせ
【3/26、3/29開催】編集部に感想・提案をお寄せください(オンライン読者交流会)
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日産、25年度に新型EV「リーフ」投入 クロスオー

ビジネス

通商政策など不確実性高い、賃金・物価の好循環「ステ

ビジネス

英2月CPIは前年比+2.8%、予想以上に鈍化 今

ビジネス

BYD、海外販売を今年倍増へ 関税には現地組み立て
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 5
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 6
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 7
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 10
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中