最新記事

働き方

年収500万円と合計年収500万円、どちらを選ぶか?

2021年9月30日(木)21時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
日本円

kyonntra-iStock.

<副業への関心が高まっているが、どんな仕事をすればいいか、どうすれば稼げるのかを知らない人は多い。パラレルキャリアの第一人者、森新氏が「会社員+副業」が最強だと言う理由とは>

コロナ禍で、ボーナスが大幅にカットされた。街中にはフードデリバリーの自転車がたくさん走っている。じゃあ、自分も何か副業を――と、考える人が増えてもおかしくない。

いま、副業への関心が高まっている。

とはいえ、リクルートの「兼業・副業に関する動向調査2020」によれば、現在、兼業・副業を実施中の人は9.8%(回答者7937人中)。実際に副業をしている人はまだまだ少数派だ。

そのため、いざ始めようと思っても、どんな仕事をすればいいか、どうすれば稼げるのかと、途方に暮れる人が多いかもしれない。

実際、「副業で稼げるのは特別な人」「好きなことを強みにする」「現職が忙しくて時間がない」など、副業に対する誤った思い込みを持つ人が多いと、自身も副業をしている会社員である森新(もり・あらた)氏は指摘する。

森氏はサントリーに入社後、自らの働き方改革に取り組む中で、アウトルックのスキルを獲得。業務生産性を大幅に向上できることを発見し、それらを講演などで発信することで、パラレルキャリアの第一人者となった。

著書の『アウトルック最速仕事術』『脱マウス最速仕事術』(いずれもダイヤモンド社)は、合わせて20万部を超すベストセラーとなっている。

このたび、森氏の新著『普通の会社員のための超副業力』(CCCメディアハウス)が発売。「大副業時代」の到来に向けて、副業の思考と実践法を記した本書から一部を抜粋し、2回に分けて掲載する。

森氏は言う。副業だからこそ、失敗しても、何も失うものはない。「会社員+副業」が最強の働き方なのだと――。

◇ ◇ ◇

「年収500万円」と「合計年収500万円」、どちらを選ぶか

「強い会社」と聞いて、みなさんはどんな企業を思い浮かべるでしょうか。

ほかにはない、独自のサービスを展開している会社?

たしかに強い会社だと言えるかもしれませんが、いずれは他社が追随してくるかもしれません。独自性を売りにできなくなれば、会社の繁栄は長くは続かないでしょう。

では、良質な太い取引先を持っている会社?

しかし、限られた取引先のみに依存することは、大きなリスクでもあります。何らかの理由で巨大な取引先を失ってしまえば、一夜にして売り上げは急減するでしょう。

こうした理由から、企業経営においてはポートフォリオの多様化が重視されます。

たとえば出版社なら、書籍だけではなく、雑誌やウェブサイトも手がけたほうが、安定性は高まります。さらに言えばカフェを経営するなど、まったく別の事業を展開してもいいかもしれません。

ポートフォリオが多様であれば、いずれかの事業が倒れたとしても、別の事業で盛り返すことができます。取引先についても、巨大な1社に頼り切るよりは、小さくても多数の取引相手を抱えておくべきでしょう。

このポートフォリオ戦略は、じつは個人にもそのまま当てはめることができます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中