年収500万円と合計年収500万円、どちらを選ぶか?
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<副業への関心が高まっているが、どんな仕事をすればいいか、どうすれば稼げるのかを知らない人は多い。パラレルキャリアの第一人者、森新氏が「会社員+副業」が最強だと言う理由とは>
コロナ禍で、ボーナスが大幅にカットされた。街中にはフードデリバリーの自転車がたくさん走っている。じゃあ、自分も何か副業を――と、考える人が増えてもおかしくない。
いま、副業への関心が高まっている。
とはいえ、リクルートの「兼業・副業に関する動向調査2020」によれば、現在、兼業・副業を実施中の人は9.8%(回答者7937人中)。実際に副業をしている人はまだまだ少数派だ。
そのため、いざ始めようと思っても、どんな仕事をすればいいか、どうすれば稼げるのかと、途方に暮れる人が多いかもしれない。
実際、「副業で稼げるのは特別な人」「好きなことを強みにする」「現職が忙しくて時間がない」など、副業に対する誤った思い込みを持つ人が多いと、自身も副業をしている会社員である森新(もり・あらた)氏は指摘する。
森氏はサントリーに入社後、自らの働き方改革に取り組む中で、アウトルックのスキルを獲得。業務生産性を大幅に向上できることを発見し、それらを講演などで発信することで、パラレルキャリアの第一人者となった。
著書の『アウトルック最速仕事術』『脱マウス最速仕事術』(いずれもダイヤモンド社)は、合わせて20万部を超すベストセラーとなっている。
このたび、森氏の新著『普通の会社員のための超副業力』(CCCメディアハウス)が発売。「大副業時代」の到来に向けて、副業の思考と実践法を記した本書から一部を抜粋し、2回に分けて掲載する。
森氏は言う。副業だからこそ、失敗しても、何も失うものはない。「会社員+副業」が最強の働き方なのだと――。
「年収500万円」と「合計年収500万円」、どちらを選ぶか
「強い会社」と聞いて、みなさんはどんな企業を思い浮かべるでしょうか。
ほかにはない、独自のサービスを展開している会社?
たしかに強い会社だと言えるかもしれませんが、いずれは他社が追随してくるかもしれません。独自性を売りにできなくなれば、会社の繁栄は長くは続かないでしょう。
では、良質な太い取引先を持っている会社?
しかし、限られた取引先のみに依存することは、大きなリスクでもあります。何らかの理由で巨大な取引先を失ってしまえば、一夜にして売り上げは急減するでしょう。
こうした理由から、企業経営においてはポートフォリオの多様化が重視されます。
たとえば出版社なら、書籍だけではなく、雑誌やウェブサイトも手がけたほうが、安定性は高まります。さらに言えばカフェを経営するなど、まったく別の事業を展開してもいいかもしれません。
ポートフォリオが多様であれば、いずれかの事業が倒れたとしても、別の事業で盛り返すことができます。取引先についても、巨大な1社に頼り切るよりは、小さくても多数の取引相手を抱えておくべきでしょう。
このポートフォリオ戦略は、じつは個人にもそのまま当てはめることができます。