世界が熱狂するストリートワークアウト、「なぜ屋外で?」最強の2人に聞いた
パラレルバーの上でL-シットをするアル(左)とダニー(右)のカバドロ兄弟(『ストリートワークアウト』129ページより)
<「監獄式」筋トレの最強トレーナー、ポール・ウェイドが激賞するのがカバドロ兄弟。新著『ストリートワークアウト』を出版した2人に、屋外でトレーニングをする魅力や、キャリステニクスの極意を聞く>
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自宅でできる自重力トレーニングへの注目が高まっている。本や雑誌、ネットでは、そんなニーズに合わせて、さまざまなトレーニングが取り上げられているが、その中でも最も支持を集めているメソッドの1つが「プリズナートレーニング」だ。
著者は元囚人という異色の経歴ながら、世界中のトレーニーから支持を集めてきた最強のトレーナー、ポール"コーチ"ウェイド。彼によって書かれた『プリズナートレーニング』シリーズは、日本だけで累計16万部を記録。ジム通いのみならず、プロテインも不要とするウェイドのトレーニングメソッドは、2017年(邦訳版)の発売以来、多くの読者に影響を与えてきた。
そのウェイドが激賞するトレーニーがいるのをあなたはご存じだろうか。
「この惑星上で最も偉大な2人のキャリステニクスコーチ」
ウェイドがそう呼ぶ最強の2人、それこそがカバドロ兄弟だ。
彼らはキャリステニクスとパーソナルトレーニングの世界をリードするオーソリティであり、また『プリズナートレーニング』シリーズにも動作指導のモデルとして参加しているので、シリーズの熱心な読者には、よく知られた存在でもある。
ウェイドが提唱する「監獄式」のトレーニングをストリートに移したカバドロ兄弟は、環境にあるものを創造的・即興的に利用しながら体を鍛える、まったく新しいフィットネスをつくり出した。それが「ストリートワークアウト」だ。2人が編み出したこのスタイルは、世界中で熱狂的な支持を集めつつある。
カバドロ兄弟のどちらかがBodybuilding.comにアップした記事を読んだことがあれば、この兄弟がニューヨーク市のストリートでトレーニングしている――まるで遊んでいるように見えるかもしれない――写真に接したことがあるだろう。
2人はフォトジェニックな写真を撮るためにそこにいるのではない(もちろん、その意味合いも少しはあるだろうが)。実際、彼らはいつも外に出て、公園や、コンクリートジャングルの中にあるパイプや足場を使ってプルアップし、ヒューマンフラッグを挙げている。
2人とも、これまでに何冊かの本を出しているが、具体的なストリートワークアウトのやり方や、なぜストリートでトレーニングするのかという点にクローズアップした本は作っていなかった。
自分たちのトレーニングスタイルを伝えたかった彼らはチームを組んで、初の共同執筆になる『ストリートワークアウト――圧倒的なパフォーマンスで魅せる究極のエクササイズ200』(山田雅久訳、CCCメディアハウス、328ページ・オールカラー)を出版することにした。
この本について、そして、ストリート(都市の屋外)で行うトレーニングの魅力について彼らが話をしてくれた。