最新記事

トレーニング

世界が熱狂するストリートワークアウト、「なぜ屋外で?」最強の2人に聞いた

2020年8月26日(水)17時20分
ニック・コリアス

――2人ともジムでトレーニングしたり、ジムで働いたりしたことがあるが、この本の写真はすべて屋外で撮影されている。どうして屋外でトレーニングすることが、あなたたちのメインのやり方になったのだろう?

アル・カバドロ ダニーと私は、子供の頃からキャリステニクスに親しんできた。でも、ほとんど屋内でそれをやっていた。それ以降、ジムで多くの時間を費やしてきたし、多種多様なトレーニング法に手を出した。バーベル、ダンベル、ケトルベルなどが私たちのトレーニングに導入されては、消えていったよ。それで、ここ数年はもっぱら体重だけを使ってトレーニングするようになっている。

なぜ屋外でトレーニングするかって? 私は、大箱のヘルスクラブのパーソナルトレーナーとしてキャリアを始めている。指導しているうちに使うマシンがどんどん減っていき、そのほうが、クライアントに良い結果をもたらすことが分かってきたんだ。

ジムでの仕事を辞めたあとは、(ニューヨーク市の)トンプキンススクエアパークを使ってクライアントを指導するようになった。その時点で、そこが私の主なトレーニングスポットになっていたからね。

ずっと同じジムにこもって仕事をしていると、開放的な場所を見つけ、そこでワークアウトすることが刺激になる。それに、外で鍛えたほうが気持ちいいだろう?

トンプキンでのトレーニングは2007年に始めたけど、ここ10年でトンプキンのワークアウト文化(※)が、発展していった様はクールの一言に尽きるね。

(※暴力沙汰が多発し、ホームレスのジャンキーがあふれる公園だったが、ここで体を鍛える人が増えていき、今では、世界中のトレーニング愛好家が集まるフィットネスのメッカのような場所になっている)

ダニー・カバドロ どこで体を動かすか、どんなマシンやデバイスを使うかということより、やっているエクササイズを動作パターンとして考えることのほうが大切だね。その動作を最もシンプルな形まで削ぎ落としていくと、可能性の幅を広げることができるからだ。

それを突き詰めていくと、ストリートを、無限の可能性を秘めた"ジム"にできるんだよ。

世界中で人気となってきていることにはスリルを感じる

――ストリートでワークアウトすれば、注目を集めるだろうし、オーディエンスから一挙一投足を興味深く眺められると思います。世界を旅していて、ストリートワークアウトをごく普通にやっている場所はありましたか?

ダニー・カバドロ ストリートで体を鍛える人が増えている! それは確かだよ。私たちを興味深く眺めている人たちは、ストリートワークアウトに好奇心を持つことに抵抗を感じていない。結局のところ、道路標識を使ってヒューマンフラッグをやっている人がいれば、通りがかった人の頭がそっちを向くのは自然な反応だろうね。

streetworkout20200826_pic2.jpg

体を横向きにするフラッグを目指す(『ストリートワークアウト』255ページより)

とはいえ、それが、一般的なトレーニングスタイルになっているとは思えない。実際にやる人やストリートワークアウトができる施設は増えているし、世界中で人気となってきていることにはスリルを感じる。でも、まだまだ草の根レベルの鍛え方だね。大局的には、商業的フィットネスの周辺にあるものに過ぎないんじゃないかな。

【関連記事】囚人コーチが教える最強の部屋トレ 自重力トレーニングの驚くべき効果とは?

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ウクライナ住民の50%超が不公平な和平を懸念=世論

ワールド

北朝鮮、日米のミサイル共同生産合意を批判 「安保リ

ビジネス

相互関税「即時発効」と米政権、トランプ氏が2日発表

ビジネス

EQT、日本の不動産部門責任者にKKR幹部を任命
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中