時間を守れないのは性格のせいではなく、脳を仕向ける「技術」を知らないだけ
(1)作業場所を限定する
脳は、常に予測をして行動の準備をしている。予測の要素となるのが「場所」だ。その場所に行こうとした時点で、過去の記憶に基づいてその場所で同じ行動を取りやすいように準備をしている。
このフィードフォワードをうまく使って、例えばここは経費の精算作業をやる場所、ここは書類の押印・署名をする場所などと決めれば、体はあっさりと動き、その作業を終えることができるのだ。
ある特定の作業をする場所を決めたら、そこにはほかの作業に使う書類や道具は置かないことがポイントだ。
(2)次の動作を少し重ねて保存する
脳は1つの作業に取り組んでいるとき、その作業の見通しや次にやらなければいけないことなどの不確定な未来を確かなものにするために準備をしている。
そこで、1つの作業を終えたら、次にやることに少しだけ手を付けておくとよいだろう。例えば食後の皿洗いで、食器を流し台に運んだら、1枚だけ皿を洗って拭いて食器棚にしまう。すると脳は、次の作業を見せられることで、次の行動を考えるエネルギーが省けるため、すぐに動けるのだ。
(3)「〇〇する」とつぶやく
普段使っている言葉は、脳が行動するための指令になっている。
なんとなく口にしている、「〇〇しなきゃいけないんだった」というつぶやきは、脳にとって、やるのかやらないのか分かりにくい。「〇〇する」のような明快な言葉に変えることで、あっさりと行動することができるという。
自分のものであって、自分が予想しない動きをする脳は、本当に不思議な存在である。時間管理に悩む人だけでなく、時間をもっと有効に使いたい人にとっても、自分の脳と上手に付き合い、コントロールしていくことは大切だろう。
『脳をスイッチ!
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菅原洋平 著
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