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SNSの申し子・田端信太郎、自著と同じタイトルの「元ネタ」本を熱く語る

2020年3月9日(月)15時00分
朴順梨(ライター)

墓石に後悔を刻む人生でいいのか

自分からチャレンジしなくても、組織に所属さえしていればサバイブ自体はできるかもしれない。また周囲の状況を理由に、チャレンジをあきらめてしまうことも珍しくない。だが「したくなければしなくてもいいけれど、とりわけ若いビジネスマンには『本当にそれでいいのか?』と問いたい気持ちがある」と、田端氏は語る。


だって「私はもっと仕事ができたはずなのに、上司が許してくれなかった」ということを、お前は墓石に刻みたいのかって思うんです。「俺はもっとすごいことができた。しかし上司のせいでできなかった。そんな田端信太郎、ここに眠る」なんて墓石、バカでしょう(笑)。

「住宅ローンが」とか「嫁さんが」とか「子供の教育費が」とか言って、チャレンジしないことを侮辱するつもりはないけれど、あなたの人生それでいいんですか? あなたは墓石に「もっとすごい仕事を成し遂げられたはずなのに、住宅ローンのせいでチャレンジができなかった家族を愛する父、ここに眠る」みたいなことを刻むんですか? って言いたいんですよ。

参考までに、墓石の話は『セクシープロジェクトで差をつけろ!』にインスパイアされたものだ。「私はすごいことをやりたかったのだが、上司がやらせてくれなかった」というような「泣き言」を自分の墓に刻みたいとは思わない、とピーターズは書いている。

田端氏は言う――誰かや何かを気にして、チャレンジしない人生なんてつまらない。そんな気持ちが年を追うごとに強くなっているのだと。


僕は大学に通うために石川県から出てきましたが、その頃は田舎者コンプレックスがあったんです。でも気付いたら、誰も僕の出身なんて気にしていなかった。

自意識過剰だったなと思うから、若い人たちに「お前のことなんか誰も見てないんだから、好きなことしようぜ」って言いたくて。でもこういうことを言うと「生存者バイアスだ」とか「田端さんは幸運だったから」って言われるんですけど。

確かに僕は、自分が幸運だったことは否定しません。だって上司や先輩や部下に恵まれていたから。だから、何から何まですべて自分の実力だと言う気はまったくありません。

でも、恵まれていないからって「自分は不運で何もできなかった」と墓石に刻むんですか? ってことですよ。そういう、本来なら1ページで収まるようなことを、僕の本は表現を変えてあの手この手で伝わるようにしているんです。

(著書の)『ブランド人になれ!』なんて、アマゾンの評価は真っ二つに割れてますけど、それは読んだけれど何もしない人が、自分の勇気のなさを認めたくないから「田端の本がダメなんだ」と言い訳してるからだと思ってます(笑)。

そんな田端氏は今、人との距離が究極に縮まるあるメディアに注目しているという。この続きは後編で。

※インタビュー後編は3月10日に掲載予定です。


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