最新記事

インタビュー

SNSの申し子・田端信太郎、自著と同じタイトルの「元ネタ」本を熱く語る

2020年3月9日(月)15時00分
朴順梨(ライター)

言われてみれば、確かに田端氏の著書『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』(幻冬舎)も「名乗りをあげろ!」や「上司を共犯者にせよ!」など、勢いのある煽り文句がリズミカルに並んでいる。これはトム・ピーターズ版の訳者である仁平和夫氏のスタイルにインスパイアされた結果なのだそうだ。


本当にこの翻訳は憑依しているというか、よくこんなふうに訳せたなと感心します。もしかしたら、原文を超えているかもしれない。ビジネス書を1冊選べと言われたら分からないけれど、5冊選べと言われたら確実にリストに入ると思います。

petersbook20200309interview-1-2.jpg

Newsweek Japan

SNSは第三者から見たプロレス

田端氏は大学卒業後、NTTデータからリクルートを経て、ライブドアに出版社のコンデナスト、LINE、そしてZOZOと移ってきたが、2019年12月にZOZOを退職している。

そんな彼はサラリーマン人生の総括として、2019年12月に『これからの会社員の教科書――社内外のあらゆる人から今すぐ評価されるプロの仕事マインド71』(SBクリエイティブ)を出版した。こちらは煽るどころか仕事の基本を丁寧に、しかも「です」「ます」調で書いているのが特徴だ。何か心境に、変化でもあったのだろうか......?


僕の言っていることは基本的には一貫していて、『ブランド人』はかぶき者というか煽りに行っていて、『会社員の教科書』は正統派なんです。片方は攻めでもう片方はディフェンスみたいな、その程度の違いです。

だってビジネスで何をやるべきかの答えって、おそらく皆分かってると思うんですよ。ナレッジというよりは覚悟とか気合いとか、モチベーションが問われてくる。仕事には特効薬のような知識なんてなくて、いかに最初の一歩を踏み出せるかが大事なので、その一歩を踏み出すためのものを書いています。

本やSNSは受け取る側との距離が遠いメディアなので、強めに煽らないと読む人に届かない。だけど、ラップ風に煽ったものが届かない層も存在する。そういう人たちのことを思いながら『会社員の教科書』を書きました。

2019年からYouTubeとライブ配信プラットフォームのLINE LIVEで配信している「タバラジ」でも、ビジネスにまつわる知識やマナーを解説している。有名無名を問わずツイッターでバトルと炎上を繰り返してきた田端氏とは一転、こちらも親切かつ丁寧な内容になっている。


ツイッターはこちらからフォローを頼んだわけではないし、なんの義務も感じてないから、「影響力を自覚してください」とか言われても、勝手に見に来てるだけだろうという感じではあるんです。見なくて済む理由はたくさんあるのに、それでも僕のツイッターを見に来るのは、心のどこかに田端が引っかかっているからでしょう(笑)。

正直、SNSは第三者から見たプロレスというか、第三者から見た面白さを意識している部分はあります。

でも本やYouTubeは、ツイッターとはまた違っています。見た人の1人でも2人でも僕の言っていることを実践して人生がハッピーになったら、こんなに素晴らしいことはない。

だから時には煽りつつも、その人が一歩前に踏み出せるようなことを伝えていきたい。ただ、YouTubeは本よりもマス媒体なので、広く伝えるための方法を模索している最中です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解

ワールド

アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中