筋肉だけでなく、スピード・反射神経も高める「囚人筋トレ」の最終形
「イクスプロ―シブ 6」が能力を限界まで引き出す
では、どんなトレーニングを実践すれば、このスーパーヒーローのような能力が身に付くのだろうか。
著者は「イクスプローシブ・キャリステニクス」の主要な6動作:
・パワージャンプ
・パワープッシュアップ
・キップアップ
・ザ・フロントフリップ
・ザ・バックフリップ
・マッスルアップ
を「イクスプロ―シブ 6」と呼称し、それぞれ10のステップ(異なるエクササイズメニュー)を設定。これにより、あなたの能力を限界まで引き出せると断言する。
いずれの動作も、ステップ1は、運動が習慣化している人なら容易にクリアできるかもしれない。しかし、最も難しいステップ10をクリアするには、本物のアスリートだとしてもかなりの鍛錬が必要になるだろう。
「パワージャンプ」を例に挙げると、ステップ1は「ストレートホップ」という膝をほとんど曲げない垂直飛びだが(下図)......
ステップ5の「ブットキックジャンプ」では垂直にジャンプしたピーク時に膝をすばやく曲げ、後ろ上方にかかとを動かして自分の尻をキックして、両足で着地するというかなりの難易度を要するにものになり(下図)......
ステップ10の「スーサイドジャンプ」は両手で握ったバーを飛び越えるという、もはや曲芸じみたものになる(下図)。
それでも、著者によれば、掛ける負荷を大きくしながらエクササイズをステップアップしていくことで、全てのステップは攻略可能だ。
ビジネスや学習、人生にも通じる「PARC」の指針
前2作と違い、レップス数を増やすことをトレーニングのゴールに設定するのは間違いだと著者は警鐘を鳴らす。なぜなら「イクスプロ―シブ・キャリステニクス」は、負荷の増加を求めるものではなく、効率性、スピード、パワー、複雑な動作を完璧にクリアすることが最も重要だからだ。なによりレップス数の増加に重点を置くことは、疲労やケガのリスクを高め、動作の精密さへの注意力を削がせるおそれがある。