お金持ちになりたいなら、もっとお金を使おう
「消費」「浪費」「投資」の3つの箱をイメージする
どんな道具でもそうであるように、積極的に使わなければ上達はしない。だから「もっとお金を使おう」というのが本書の主旨だ。だがそうは言っても、無頓着に使ってはいけない。どんなに便利な道具でも、使い方を誤れば人を傷つけることもあるからだ。
著者たちが説く「上手なお金の使い方」は、決して難しいことではない。その第一歩は、「何のために使うのか」を常に意識すること。コンビニで水1本を買うにしても、それは何のためなのか、本当に必要なのか、それが自分にとってどういう意味があるのか――お金を使う目的を考えるのだ。
そのとき、「消費」「浪費」「投資」という3つの箱をイメージしよう、と著者たちは言う。すべての出費は、この3つに分類されるからだ。ただし、どれかが正しくて、どれかは間違っているということではない。たとえ浪費だとしても、自分にとって必要であれば、それでいい。まずは意識することが重要だ。
そうすると、無用な出費が減るだけでなく、自分が本当に欲しいものが分かり、より良いお金の使い方ができるようになるという。それは決して節約できるという意味ではなく、自分が最も幸せを感じられ、かつ豊かになれる場所を知るということだ。
「お金持ちになりたい!」と話す人の多くが、「では、いくら欲しいのか?」という質問に答えられない。なぜなら、考えていないからだ。それでは到底叶わない。日々お金を使う場面での小さな積み重ねが、自分が本当に欲しいものを理解するカギとなり、豊かな人生への扉を開いてくれる。
大事なのは「感覚」 お金持ちがお金持ちになったきっかけ
本書の著者のひとりである柴田博人氏は、建設会社の社長の息子として生まれた。小学生の頃、同級生が嬉しそうに話していた「給料日」というのが、自分の家では「いちばんお金がない日」だと教えられたことで、お金には「払う人」と「もらう人」がいることを知ったという。
そうした経験によって、幼いうちにお金に対して対等な感覚を身につけたことが、結果的に、大きく稼いで富を築く土台になったそうだ。現在では、株や不動産などの投資で安定的に資産を築く一方、ビジネスでも大きな成功を手にしている。
対して竹松祐紀氏は、地方の公務員家庭に生まれ、本人曰く「お金持ちは『悪い人』」だと思っていたそうだ。そのため、プロ野球選手のような1億円プレーヤーに憧れたものの、そのためには何かしら嫌なことをしなければいけない、という思いがあったという。
だが、実際それに近い経験をする中で「何かが違う」と感じるようになった。そこからさまざまな学びを通して、お金は「我慢の対価としてもらえるもの」ではなく、「他人に喜びをもたらす価値を提供する対価としてもらえるもの」と気づいたのだという。
それによって、竹松氏の人生は「ブレーキが外れ」たそうだ。柴田氏と出会ってビジネスパートナーとなり、現在までに100億円を超える売り上げを生み出している。