最新記事

投資

お金持ちになりたいなら、もっとお金を使おう

2019年2月18日(月)11時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「消費」「浪費」「投資」の3つの箱をイメージする

どんな道具でもそうであるように、積極的に使わなければ上達はしない。だから「もっとお金を使おう」というのが本書の主旨だ。だがそうは言っても、無頓着に使ってはいけない。どんなに便利な道具でも、使い方を誤れば人を傷つけることもあるからだ。

著者たちが説く「上手なお金の使い方」は、決して難しいことではない。その第一歩は、「何のために使うのか」を常に意識すること。コンビニで水1本を買うにしても、それは何のためなのか、本当に必要なのか、それが自分にとってどういう意味があるのか――お金を使う目的を考えるのだ。

そのとき、「消費」「浪費」「投資」という3つの箱をイメージしよう、と著者たちは言う。すべての出費は、この3つに分類されるからだ。ただし、どれかが正しくて、どれかは間違っているということではない。たとえ浪費だとしても、自分にとって必要であれば、それでいい。まずは意識することが重要だ。

そうすると、無用な出費が減るだけでなく、自分が本当に欲しいものが分かり、より良いお金の使い方ができるようになるという。それは決して節約できるという意味ではなく、自分が最も幸せを感じられ、かつ豊かになれる場所を知るということだ。

「お金持ちになりたい!」と話す人の多くが、「では、いくら欲しいのか?」という質問に答えられない。なぜなら、考えていないからだ。それでは到底叶わない。日々お金を使う場面での小さな積み重ねが、自分が本当に欲しいものを理解するカギとなり、豊かな人生への扉を開いてくれる。

大事なのは「感覚」 お金持ちがお金持ちになったきっかけ

本書の著者のひとりである柴田博人氏は、建設会社の社長の息子として生まれた。小学生の頃、同級生が嬉しそうに話していた「給料日」というのが、自分の家では「いちばんお金がない日」だと教えられたことで、お金には「払う人」と「もらう人」がいることを知ったという。

そうした経験によって、幼いうちにお金に対して対等な感覚を身につけたことが、結果的に、大きく稼いで富を築く土台になったそうだ。現在では、株や不動産などの投資で安定的に資産を築く一方、ビジネスでも大きな成功を手にしている。

対して竹松祐紀氏は、地方の公務員家庭に生まれ、本人曰く「お金持ちは『悪い人』」だと思っていたそうだ。そのため、プロ野球選手のような1億円プレーヤーに憧れたものの、そのためには何かしら嫌なことをしなければいけない、という思いがあったという。

だが、実際それに近い経験をする中で「何かが違う」と感じるようになった。そこからさまざまな学びを通して、お金は「我慢の対価としてもらえるもの」ではなく、「他人に喜びをもたらす価値を提供する対価としてもらえるもの」と気づいたのだという。

それによって、竹松氏の人生は「ブレーキが外れ」たそうだ。柴田氏と出会ってビジネスパートナーとなり、現在までに100億円を超える売り上げを生み出している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

欧州駐留米軍の規模、トランプ大統領に決定権=国防長

ワールド

仏、6月にパレスチナ国家承認も 中東諸国はイスラエ

ワールド

情報BOX:トランプ米大統領の相互関税一時停止、含

ビジネス

マグニフィセント7、時価総額1.5兆ドル回復 相互
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 10
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中