最新記事

投資

お金持ちになりたいなら、もっとお金を使おう

2019年2月18日(月)11時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

誰もが貯金ばかりする社会では、誰も豊かになれない

お金持ちになるために必要なのは、どんな仕事で稼ぐか、どう投資してリターンを得るかということ以前に、まずはお金持ちのマインドセットを持つことなのかもしれない。だから柴田氏、竹松氏によるこの本でも、金融資産の増やし方に関するアドバイスに入る前に、お金をどう考え、どう使うかを丁寧に説明している。

残念なことに、これまで日本ではお金の使い方について学ぶ機会がほとんどなかった。それに加えて、「貯金すべき」という無意識の圧力を自分にかけてしまい、お金を使うこと自体に躊躇したり、罪悪感を覚えたりする人が少なくないようだ。

だが、それが結果的に、どんなに貯金しても豊かになれない要因となる。

考えてみてほしい。誰もが貯金ばかりしてお金を使わないと、経済が回らず、あなたの元にお金は入ってこない。お金を使う人がいなければモノが売れず、企業の利益は伸びず、給料も上がらない。だから、自分がもっと稼ぎたければ、まずは自分がもっとお金を使うことから始めるべきだ。

そうは言っても、お金を手放すのは難しい。そこで、著者たちはこう言う。


(前略)今手元にあるお金は、「預かっている」と表現することもできます。今は一時的に自分のところにあるけれど、そのうち使って、別のだれかのもとに行くことが、あらかじめ決まっているからです。(中略)そもそも「自分のもの」にはなっていないのです。お金は、だれのものでものでもないのです。(196~197ページ)

そのうえで、もし放置したままの定期預金やタンス貯金があるなら、まずはそれを使ってみることを勧めている。「貯金はお金が眠っている」と言われるが、著者たちに言わせれば「死んでいるも同然」だ。

だが幸い、お金は生き返る。死に金を蘇らせることから始めてみてはどうだろうか。

dekidekibook_cover200.jpg
『デキない人のお金の使い方 デキる人のお金の使い方』
 柴田博人×竹松祐紀 著
 CCCメディアハウス

※当記事は2018年11月19日にアップした記事の再掲載です。

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ウクライナ中銀、金利据え置き 25年成長率予想を3

ワールド

トランプ氏、水産物生産拡大で大統領令 海洋保護区を

ワールド

米FDA、食品品質管理9月末まで停止 厚生省人員削

ワールド

米財務省、銀行監督緩和で政府機関と協議=ブルームバ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、アメリカ国内では批判が盛り上がらないのか?
  • 4
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 7
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    関税を擁護していたくせに...トランプの太鼓持ち・米…
  • 10
    金沢の「尹奉吉記念館」問題を考える
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中