スマホメモ:何を、どのアプリで、どうメモれば脳を活性化できるか
3.音声入力も一案
音声入力の便利さを知っている方も多いと思います。
かくいう私は、スマホメモに関しては、まだ音声入力を使いこなしているとは言えません。時々やってみてはいますが、なかなか音声入力をする環境が整わないのです。
オフィスにしても、車内にしても、人前でスマホに向かってしゃべっている姿は、あまりみっともいいものではありません。
また、音声で入力した文章は、まだまだ間違いが頻出する状態ですから、その直しが面倒ということもあります。
しかしながら、家の中、特に風呂場など他人のいない空間では、音声入力はすこぶる便利です。なぜなら、頭に浮かんだことは書くよりしゃべった方が圧倒的に早いですから。私の知り合いのデザイナーは71歳ですが、その方は音声入力でスマホメモしています。すごい時代です。
将来的には間違いもどんどん減るでしょうし、人前でしゃべっても恥ずかしくないセッティングができれば、音声入力はあなたの力強い味方になるはずです。
4.どんな時に着想が浮かぶのか
さて、「あっ、これはメモしておきたいな」という衝動はどんな時に起きやすいでしょうか。
よく社長さんのインタビューなどで朝の散歩時にいろんなアイデアが浮かぶという記事を見かけますよね。私の経験では、朝シャワーを浴びている時が多いです。それと、やはり道を歩いている時や電車に乗っている時など、仕事以外の時が圧倒的です。
社長さんたちも同じようなことを言っているので間違いないと思うのですが、脳の気づきというのは気まぐれで、アイデアや考えがひらめく時というのは、そのことについて一生懸命考えなければならない時というよりは、むしろ何も考える必要のない時の方が多いです。
だとすると、スマホはその着想をメモする最高の道具になるのではないでしょうか。なにせ四六時中持ち歩き、いじりまわしているのですから。ノートならいちいちカバンから出さないといけないし、シャワー時はさすがに無理でしょう。
歩いている時、友達と飲んでいる時、会食している時――なにか気づきがあったら、とにかくメモる習慣をつけることです。
新聞を読んでいたりして、ふと何かの考えが頭の中をよぎることがありますよね。そう感じたら即座に読むのを中断し、スマホメモに書きつけましょう。
最初は浮かんだものの正体がおぼろげなので、それを文字で実体化するにはちょっとした試行錯誤が必要でしょう。
だけど、それが面白いのです。自分の考えていたことが明らかになり、感覚的なものだったことが文字として正確に確認できるからです。
5.メモがすすむ書き方
私は自分のメモが、一般の人がイメージするメモとちょっと違うことに気づきました。「そうか、」とか「よく考えたら」とか「〜だな」とか「かも」など、自分の感情を添えるような書き方をしているのです(図12)。
また、どう思ったのか、どう考えたのかについては、「発見だ」とか「いいアイデアだぞ」とかが多いです(図13)。
このように、メモは「自分事化」するように、話し言葉で書くことが大事だなと気づきました。情報のピックアップにしても、気になるなと思ってメモる時、「どう気になるのか」を意識して書き出すようにしています。
※第1回:日経新聞を読み切れなくても「むしろいい」と、トッププレゼンターが言う理由
※第2回:脳を覚醒させ、定年後も時代遅れにならずにいられる「メモ術」
『スマホメモ――仕事と人生の質を上げるすごいメモ術』
須藤 亮 著
CCCメディアハウス