筋トレは量か強度か 「囚人筋トレ」のポール・ウェイドが全てを語った
Dragon Door Interviews Paul “Coach” Wade
そして現在、パベル・ツァツーリン、ダン・ジョンといったパイオニアたちが、GTGトレーニング(greasing the groove:1日通して少しずつ行うトレーニング)やイージー・ストレングスの概念について語っている。トレーニングの強度を少し下げる代わりに頻度を増やすという手法だ。これらは全て、多くの人に影響を与え、トレーニングに対する人々の見方を変えた。それ自体はいいことだ。だが間違いなく、あと50年は議論が続くだろう。
私の考え方は、古くてかなり単純なものだ。私自身と少し似ている。本物の力と筋肉量を強化することは、どのように体がストレスに適応するかということだ。適応はストレス因子に比例し、ストレス因子を回避する方法はない。ハードなトレーニングをするほど、いい結果が得られる。
筋肉の増強に関しては、ストレス因子の効果は累積的ではない。体は短時間で判断を下す。約225キロでベンチプレスを行い、5分後、約22.5キロでベンチプレスを行っても、体が約247.5キロのベンチプレスを行ったと判断することはない!
体にストレスを与える余地は限られており、適応によって筋肉の成長は止まり、代わりにスタミナが強化される。筋肉を成長させ、力を付けたい場合、限界まで追い込んでも意味はない。22.5キロのベンチプレスと同じで、単なるエネルギーの無駄遣いだ。
私は安全上の理由から、限界まで追い込むトレーニングはあまり好まない。自分の体をコントロールするためのエネルギーを常に残しておくべきだと考えている。もしジム帰りに誰かに襲われるなど、危機的な状況に陥ったらどうするのだろう? 何が起きるかは誰にも分からない。
私は自重トレーニングに取り組むアスリートに対して、通常は、まずウォーミングアップを行い、余力が残る強度で2~3セット、とアドバイスしている。これがほとんどの人に適した方法だ。
今もハードにトレーニングしている
ドラゴンドア:今後の予定は?
ウェイド:今? 今夜は早めに休みたい。明日はインバース・トレーニングと自重の握力トレーニングを行う。そしてこの夏は、プリズナートレーニング3の執筆に取り組む。私はこの本に大きな希望を抱いている。考えただけでワクワクしてくるよ!
それ以外は、一日一日を大切に生き、健康を維持し、人生が与えてくれるものをこの目でしっかり見るだけだ。私は今もハードにトレーニングしており、数少ない選ばれた生徒たちのパーソナルトレーニングを行っている。おそらくドラゴンドアのファンから何百通ものメールが送られてきて、返信することになる。想像以上の楽しみや喜びを与えてくれるだろう。インタビューしてくれたことに感謝!
(2012年4月)
From Dragon Door(『プリズナートレーニング』原書出版元)
(翻訳:ガリレオ)
『プリズナートレーニング
――圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ』
ポール・ウェイド 著
山田雅久 訳
CCCメディアハウス
『永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ
プリズナートレーニング 超絶!!グリップ&関節編』
ポール・ウェイド 著
山田雅久 訳
CCCメディアハウス