最新記事

対談

日本の若者がシリアルアントレプレナーを目指すべき理由【箕輪×正田】

2018年2月20日(火)15時58分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

起業家に才能が集まっている

正田 箕輪さんは起業家の本が多いですけど、狙っているんですか。

箕輪 べつに起業家が好きなわけでもなんでもなくて。自分が面白いと思った人の本を作るだけで、アスリートでも芸能人でもいいんです。

でも、最近は面白いなと思う人が起業家に本当に多い。時代によって才能が集まる場所が、作家だったり、お笑い芸人だったり、アーティストだったりするのでしょうけど、今は起業家がいちばん才能のある人が集まっているジャンルなんじゃないか。

正田 箕輪さんが本を作った格闘家の青木真也さんにしても、優秀なアスリートであると同時にマネタイズができるのがすごいですよね。

箕輪 さっき「あらゆる業種の壁がなくなった」と言いましたが、マネタイズの仕方も同じなんです。以前は「この業種はこう儲ける」というルールがありました。でも今はそういったルールが全部取っ払われて、だいたいどの業界でもコミュニティーを作って月額制ビジネスをして......と、やり方が決まってきています。

あらゆる業種に顔を出すことで、時代がどんな場所でつまづき、そしてこの後、どんな方向に加速するのかうっすら見えてきます。

やるべきことをやっている人なんて1割もいませんから、それをやるだけでどんな業種でも面白くできるんです。

正田 キングコングの西野亮廣さんも、芸人でありながら、バリバリの経営者だったりする。

箕輪 まさに。僕が「起業家に才能が集まっている」と言うのはそういうことです。

柴咲コウも山田孝之も本田圭佑も、皆が憧れる職業の人が、起業家みたいな働き方をしているし、実際、皆できちゃうんですよね。起業で大切なのは、人と情報とお金。優秀な人やすごいビジョンを持っている人には、それらが勝手に集まるようになってきている。

正田 ここ数年のコミュニティーの動きを見ていると、「全部分かってやっていたんだな、この人は」と思うのは、堀江(貴文)さんですね。オンラインサロンにしても何年も前から仕込んでいる。

箕輪 堀江さんは打ち手がすべて合ってるんですよ。ずっとそばで見ていて思うのは、堀江さんの場合、(自分の考えのうち)言語化しているのは2割ぐらいです。聞かれたら答えられるんだろうけど、言語化する必要性を感じていないというか、周りから見ると直感のまま行動に移してしまう。

でも、その直感が的を射ているし、圧倒的にやり切ってしまう。だからすごい。見極めのセンスのよさとやり切りが凄まじいです。普通の人は、センスがよくても途中でダレちゃって、成功するかどうかの検証すらできないんだけど、堀江さんは圧倒的にやりきりますね。

※対談後編:学生はバイトするな、お金のために時間を犠牲にするな

Text:東 雄介


『サクッと起業してサクッと売却する
 ――就職でもなく自営業でもない新しい働き方』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

【お知らせ】
ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮情勢から英国ロイヤルファミリーの話題まで
世界の動きをウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

グリーンランドに「フリーダムシティ」構想、米ハイテ

ワールド

焦点:「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発、欧州襲う

ワールド

米とウクライナ、鉱物資源アクセス巡り協議 打開困難

ビジネス

米国株式市場=反発、ダウ619ドル高 波乱続くとの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助けを求める目」とその結末
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    米ステルス戦闘機とロシア軍用機2機が「超近接飛行」…
  • 6
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク…
  • 7
    ノーベル経済学者すら「愚挙」と断じるトランプ関税.…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    逃げる犬をしつこく追い回す男...しかしその「理由」…
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 9
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 10
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中