失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料高騰問題」の深層
Tesla Insurance Costs Could Surge Amid Anti-Elon Musk Vandalism
テスラの保険料は今後さらに上昇するのか?
ブラノン氏によると、盗難や破壊行為(ヴァンダリズム)は、保険会社が保険料を決定する際に考慮する重要な要素だという。
「テスラ車を狙った破壊行為が増加し、収束しなければ、今後包括保険(コンプリヘンシブ・カバレッジ)の料率が上がる可能性がある」と彼は警告した。
マーティン氏は、車両保険の包括補償部分では破壊行為もカバーされるが、事故による損害と比べると保険料への影響は小さいと説明する。しかし、影響はゼロではないという。
「2023年にTikTokで流行した、特定のKiaやHyundaiモデルを狙った盗難トレンドから学んだように、この種の損害が続けば、保険会社はテスラ車の保険提供を拒否する可能性もある」とマーティン氏は警鐘を鳴らした。
2022年、KiaやHyundaiの一部モデルでは、エンジンを始動させる際に必要なイモビライザー(盗難防止装置)が搭載されていなかったことから、TikTokやInstagramで「盗みやすい車」として話題になった。
この装置は、本来であればキーを挿入すると信号を送る仕組みで、適切な信号がない場合はエンジンをロックし、車両を始動できないようにする。しかし、この機能がないことを悪用し、未経験の若者でも簡単に車を盗めるようになり、SNS上で「Kiaチャレンジ」として広まっていった。
その結果、2023年にはKiaやHyundaiの盗難件数が全米で急増。これを受け、保険会社は盗難リスクの高い州でこれらの車の保険提供を拒否する事態に発展した。米国大手のState FarmやProgressiveは、2015年から2021年に製造されたKiaやHyundaiの特定モデルについて、州ごとに補償範囲を縮小したり、新規契約を停止したりする措置を取った。